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2020年7月27日 (月)

THE SMASHING PUMPKINS『MACHINA: THE MACHINES OF GOD』(2000)

2000年2月末にリリースされたTHE SMASHING PUMPKINSの5thアルバム。

ジミー・チェンバレン(Dr)の脱退を経て、打ち込み主体のダークな前作『ADORE』(1998年)が賛否両論を巻き起こしたスマパン。その後、ジミーがバンドに復帰し、ビリー・コーガン(Vo, G)、ジェイムズ・イハ(G)、ダーシー(B)とのオリメンで早くも新作制作へと突入しますが、今度はレコーディング終了後にダーシーが脱退。後任として元HOLEのメリッサ・オフ・ダ・マーを迎えて、ツアーへと臨みます。

アルバムはジミーのダイナミックなドラミングを活かしたハードロックナンバー「The Everlasting Gaze」からスタート。全編この調子で進むのかと思いきや、続く「Raindrops + Sunshowers」は前作での経験が見事に反映されたデジタル色を散りばめたロックチューンだし、シングル向きなポップロック「Stand Inside Your Love」や「Try, Try, Try」のような楽曲も用意されている。穏やかなニューウェイヴ感が心地よい「I Of The Mourning」、打ち込みリズムを同期させたキャッチーな「The Sacred And Profane」、ヘヴィなギターリフと重々しいリズムがタイトルまんまな「Heavy Metal Machine」、『GISH』(1991年)の頃のフリーキーさを存分に堪能できる約10分もの大作「Glass And The Ghost Children」など、全体を通してこれまでの“メジャー感が強いスマパン”の魅力が凝縮された集大成的内容に仕上がっています。全15曲で約73分という長尺なトータルランニングも、アナログなら2枚組になるところをCD1枚にギリギリ収めようとするあたりに、超大作『MELLON COLLIE AND THE INFINITE SADNESS』(1995年)よりも気軽に楽しんでほしいという意思が感じられます。

ですが、ここまでがっつり作り込んだものの、不思議なもので過去作ほど強く印象に残らないのが本作唯一の欠点かもしれません。1曲1曲は非常によく作り込まれているものの、アルバムとして並んだときのストーリーがそこまで強く感じられない。CD1枚にまとめてしまったことで、逆に全体像がぼんやりしてしまった(『メロンコリー』のようにディスク2枚に分けていれば、また印象も変わったのかも)。いろんなことが裏目でに出てしまった、残念な1枚と言えるかもしれませんね。

本作からは1曲もシングルヒットが生まれることなく、アルバム自体も全米3位まで上昇。セールス面では前作のミリオンにまで達しない、50万枚程度という惨敗ぶり……チャートの上位にはブリトニー・スピアーズやBACKSTREET BOYSのようなポップ・アイコンたちが名を連ねる現状を前に、スマパンは2000年末のツアー終了を持ってバンド解散を決意します。このラストツアーの一環で行われた日本公演については、当時このサイトでもレポートを残していますので、よろしければご参考まで。

オフィシャルな形ではラストアルバムとなってしまった本作。実は、アンオフィシャルな形でもう1枚(「枚」という概念はないかな。笑)、『MACHINA II: THE FRIENDS & ENEMIES OF MODERN MUSIC』(2000年)という作品を同年9月にネット配信することになるのですが、それについてはまた別の機会に。

 


▼THE SMASHING PUMPKINS『MACHINA: THE MACHINES OF GOD』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / MP3

 

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