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2020年8月

2020年8月31日 (月)

2020年8月のお仕事

2020年8月に公開されたお仕事の、ほんの一例です。随時更新していきます。(※8月4日更新)

 

[紙] 8月4日発売「日経エンタテインメント!」2020年9月号にて、欅坂46菅井友香の連載「菅井友香のお嬢様はいつも真剣勝負」、日向坂46渡邉美穂の連載「今日も笑顔で全力疾走」の各構成を担当しました。(Amazon

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また、7月に当サイトで紹介したアルバムから各1〜2曲程度ピックアップして、30曲程度のプレイリストをSpotify、AppleMusicにて制作・公開しました。題して『TMQ-WEB Radio 2007号』。レビューを読む際のBGMにするもよし、何も考えずにダダ流しするもよし。おヒマなときに聴いていただけると嬉しいです。

2020年8月11日 (火)

THE DISTILLERS『CORAL FANG』(2003)

2003年10月にリリースされたTHE DISTILLERSの3rdアルバム。日本盤は同年12月に発売されました。

THE DISTILLERSはフロントに立つブロディ・デイル(Vo, G)を中心に1998年に結成されたパンクバンドで、当初はトリオ編成で活動。1999年にRANCIDのティム・アームストロング(Vo, G)が主催するHellcat Recordsから1st EP『THE DISTILLERS EP』を発表し、デビューを飾ります。その後、リードギタリストが加入し4人編成となり、現在までに3枚のオリジナルアルバムを発表。なお、デビュー当時のブロディとティムは夫婦関係にありました(のちに離婚。2005年にはQUEENS OF THE STONE AGEのジョシュ・ホーミと結婚しました。が、昨年に離婚云々の話題があったような……)。

現時点での最新作(といっても17年前の作品ですが)となる本作は、Hellcatを離れメジャーのSire Recordsと新たに契約して制作された1枚。メジャー契約の効果もあってか、プロデューサーにはギル・ノートン(FOO FIGHTERSJIMMY EAT WORLDPIXIESなど)、ミキサーにアンディ・ウォレス(NIRVANARAGE AGAINST THE MACHINESLIPKNOTなど)を迎えた、「純粋培養なパンクロックアルバムなのに、しっかりキャッチーさも備わった」完全無欠のアルバムに仕上がっています。

ブロディのアクの強いボーカルはどこかコートニー・ラヴHOLE)を彷彿とさせるものがありましたが、ここで聴ける彼女のボーカルパフォーマンスはそれ以上にジョーン・ジェットを思わせるものもある。こういったボーカル面での成長は、楽曲のクオリティアップから引き出されたものなのでしょうか。アートワークのエキセントリックさから想像できる(感覚的な)アングラさは皆無で、全体を通して非常に聴きやすさに満ちた作風なのが印象的です。適度なスピード感とキャッチーなメロディ、耳に残るブロディのボーカル……ロックアルバムとしては文句なしのインパクトを与えてくれるはずです。

オープニングの「Drain The Blood」でのシンガロングできそうな大衆感の強さといい、モッシュ&ダイブ必至の「Die On A Rope」でのスピード感といい、「The Gallow Is God」や「The Hunger」でのダルな雰囲気といい、メジャー感と(音楽的な)アンダーグラウンドの危うさとのキワキワのあたりを進み続ける姿勢はさすがの一言だし、そんな中でラストに「Death Sex」を持ってくるあたりも完璧。当時、刺激が足りなかった自分にとってメジャーというフィールドから大きな衝撃を与えてくれた1枚でした。

ちなみに、このアルバムを購入したのは海外リリースから約4ヶ月後の2004年2月のこと。同年3月末に控えた『MAGIC ROCK OUT』での2度目の来日に備えて予習しようと思い聴いたのです。そのライブの様子は本サイトにも掲載していますが、16年前の自分もブロディのことを「パンク版ジョーン・ジェット」と比喩していますね(笑)。よほどカッコよかったんだろうな、と当時の記憶を必死に絞り出そうとしながらこのアルバムを爆音で聴いているところです。

なお、THE DISTILLERSは2006年に一度解散しており、ブロディはSPINNERETTEというバンドでアルバムを1枚残したり、2014年には初のソロアルバム『DIPLOID LOVE』(こちらも最高!)を発表していますが、2018年に『CORAL FANG』制作時のメンバーで再結成。現在までに「Man VS. Magnet」「Blood In Gutters」の2曲を収録したアナログ盤を発表しており、4作目のアルバム制作にも期待が寄せられています。

 


▼THE DISTILLERS『CORAL FANG』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ

 

2020年8月10日 (月)

THE WiLDHEARTS『STOP US IF YOU'VE HEARD THIS ONE BEFORE VOL.1』(2008)

2008年5月にデジタルリリースされたTHE WiLDHEARTS初のカバーアルバム。当初は12曲入りで配信されましたが、のちに同年7月に3曲追加した全15曲入りでフィジカルリリースされています。

ジンジャー(Vo, G)、C.J.(G, Vo)、リッチ(Dr)、スコット・ソリー(B, Vo)という編成で制作された前作『THE WILDHEARTS』(2007年)から約1年という短いスパンで届けられた今作は、単にバンドに影響を与えたレジェンドたちのみならず、彼らが敬愛する新旧のバンドたち、楽曲にもう一度耳を傾けてほしいという隠れた名曲などをピックアップ。そのセレクトもかなり多岐にわたる、非常に興味深い内容になっています。

今回はCDバージョンを中心に話を進めますが、まずは収録内容(および原曲アーティスト名)を紹介します。

01. AC Rocket [FOIL]
02. Geez Louise [THE UNBAND]
03. Understanding Jane [THE ICICLE WORKS]
04. The World Comes Tumblin' [THE DISTILLERS]
05. Unsung [HELMET]
06. Waiting Room [FUGAZI]
07. Ice Hockey Hair [SUPER FURRY ANIMALS]
08. Possum Kingdom [TOADIES]
09. Pep Talk [THE DESCENDENTS]
10. Rocket 69 [THE LEE HARVEY OSWALD BAND]
11. Battleship Chains [THE WOODS / THE GEORGIA SATELLITES]
12. Rearrange You [BABY CHAOS]
13. Everyday Formula [REGURGITATOR]
14. The Judge [SOUL ASYLUM]
15. Carmelita [ウォーレン・ジヴォン]

配信バージョン(現行のSpotify海外配信分含む)はここから「AC Rocket」「Everyday Formula」「The Judge」の3曲を省いた12曲で、曲順も異なるものです。

FOILやTHE UNBANDなど初見のバンドも含まれていますが、それ以外は名前をよく知るバンド/アーティストであったり、THE WiLDHEARTSと同時代に活躍したバンド、かつジャンル的にあまり交わりのなかった存在などばかりで、先にも述べたようによくある「ルーツを紹介する」形とは異なり、お気に入りの曲を気楽にカバーしてみたという内容と言ったほうがいいでしょう。

実際、過去のカバー曲と比較してもストレートにカバーしていますし(まあ以前のカバー曲も音像で遊んではいたりするものの、基本的には原曲に忠実でしたが)、「THE WiLDHEARTSならでは」みたいなカラーはそこまで強く感じないかな。曲によってC.J.やリッチ、スコットもリードボーカルを担当していますし、そういう意味では次作『¡CHUTZPAH!』(2009年)への布石も見つけられるかな……まあそれ以上に、メンバー全員が肩の力を抜いて好きな曲で遊んでいる、その程度の1枚なのかな。なので、前作『THE WILDHEARTS』と次作『¡CHUTZPAH!』の間をつなぐ1枚というよりは、バンドとしてのアク抜きを行ったぐらいに捉えて、こちら側も構えず気楽に“お楽しみ盤”として接すればいいのではないでしょうか。

と同時に、本作で取り上げた楽曲の原曲を探して聴いてみることもオススメします。本来、そっちを目的として作られた作品でもあると思うので。それに、本作リリース当時は原曲を探すことが難しかったけど、今ならSpotifyやApple Musicを通じて手軽に原曲を見つけることができますしね(ということで、原曲プレイリストを作成したので、最後に貼っておきます。THE WiLDHEARTSのオリジナル盤が国内でストリーミング配信されていないので、こちらで雰囲気を味わっていただけると幸いです)。

 


▼THE WiLDHEARTS『STOP US IF YOU'VE HEARD THIS ONE BEFORE VOL.1』
(amazon:国内盤CD / 国内盤CD+Tシャツ / 海外盤CD

 

 

2020年8月 9日 (日)

MIKE SHINODA『DROPPED FRAMES VOL.2』(2020)

2020年7月31日にデジタルリリースされたマイク・シノダLINKIN PARK)の3rdソロアルバム。

今年7月10日に『DROPPED FRAMES VOL.1』と題した2作目のソロアルバムを配信リリースしたばかりの彼ですが、そこから3週間というハイペースで届けられた今作はタイトルどおりその続編に当たる内容。コロナ禍により外出自粛期間が続く中、動画配信プラットフォームTwitchで多くのファンと交流しながら音楽とアートを制作し始めたマイクが、毎日決まった時間に動画配信を行い、視聴者らの意見も取り入れながら音楽とアートワークを作り上げ完成に至ったという、まさにファンとの共同作業で生まれた1枚です。

前作ではオープニングトラック「Open Door」のみが歌モノで、それ以外の11曲はインストゥルメンタルという実験色の強い内容でしたが、今回に関しては歌モノ皆無。前作よりもモダンなエレクトロミュージックやダンスミュージック、ダウナーなヒップホップなどの要素が強まった、より遊び心の強い1枚に仕上がっています。

どの曲も1分台から最長で3分台半ばと短尺のものばかりで、完璧に作り込まれた完成品というよりは、その完成品へと至る過程をそのまま凝縮した「ネタの宝庫」的短編集と呼ぶほうが最適な内容かもしれません。本来なら、これらを元ネタに壮大な楽曲を作り上げていくのでしょうが、このプロジェクトはそこまでが目的ではなく、あくまでファンと楽しみながらひとつの作品を作っていくことを主軸としている以上、こういったプレイリスト的な形で世に放たれるのが正解なのでしょうね。肩肘張って作り込んでいないからこそ、聴く側も緩くリラックスして楽しむことができる。このシリーズに関してはこれでいいんだと思います。

今回は「Isolation Bird」でマニー・マーク、「Astral」でイリース・トルー、前作収録曲の続編にあたる「Channeling, Pt. 2」にダン・マヨがそれぞれフィーチャーリングアーティストとしてクレジットされています。イリース・トルーはループステーションを巧みに操る女性シンガーソングライター/マルチプレイヤーで、ダン・マヨは知る人ぞ知るイスラエル出身のジャズ/エレクトロニカ系ドラマー。マニー・マークに関してはここで説明するまでもないでしょう。こういったコラボ相手の人選からも、マイクがこの企画を通して何を表現したかったかがなんとなく伺えるのではないでしょうか。

ゲーム音楽的な8ビット風ダンスミュージックから、どこかモンド風のオサレ・ヒップホップ、さらにはエレクトロニカへと通ずるエレクトロミュージックまで、幅広いように見えて実は焦点がしっかり定まっている。全12曲で30分強というトータルランニングも手伝って、スルッと聴けてしまう1枚です。

 


▼MIKE SHINODA『DROPPED FRAMES VOL.2』
(amazon:MP3

 

2020年8月 8日 (土)

JUDAS PRIEST『BRITISH STEEL』(1980 / 2010)

1980年4月にリリースされたJUDAS PRIESTの6thアルバム。

日本公演の模様を収めたライブアルバム『UNLEASHED IN THE EAST』(1979年)を最後にレス・ビンクス(Dr)が脱退。新たに元TRAPEZEのデイヴ・ホーランド(Dr)が加入し、同ライブアルバムを手がけたトム・アロムがそのままプロデューサーを担当し完成したのが、のちにバンドを代表するこの歴史的名盤になります。

ブルースベースでプログレッシヴなハードロックを展開した初期のスタイルから、前作『KILLING MACHINE』(1978年)で見え隠れし始めたコンパクト&シンプルな作風へと完全移行した今作は、ギターリフの強度を強めることでハードロックからヘヴィメタル的スタイルへと見事に進化。これが当時イギリスのアンダーグラウンドで勃発し始めた「New Wave Of British Heavy Metal(NWOBHM)」ムーブメントと見事に合致し、シーンから好意的に受け入れられ、全英4位という過去最高記録を樹立することになります。特に本作からは「Living After Midnight」(全英12位)、「Breaking The Law」(同12位)、「United」(同26位)とヒットシングルを連発したことも、アルバムの成功を導いたと言えるでしょう。

スピード感の強い「Rapid Fire」でスリリングさを演出したかと思うと、バンドにとって大きな意味を持つテーマソング「Metal God」、キャッチーなアップチューン「Breaking The Law」、ヘヴィさとキャッチーさを併せ持つ「Grinder」や「United」など、すべての楽曲が2〜3分台で構成された聴きやすい構成でアルバム前半はあっという間に終了。「You Don't Have To Be Old To Be Wise」から始まる後半もポップさの際立つ「Living After Midnight」やレゲエを思わせるイントロからヘヴィなサウンドへと移行するアレンジが魅力的な「The Rage」、圧巻のスピードメタル「Steeler」など、聴きどころ満載で全9曲というコンパクトな尺と相まって、興奮して気づいたら終わってる……みたいな1枚と言えるのではないでしょうか。とにかく捨て曲なし。ロブ・ハルフォード(Vo)のボーカルパフォーマンスもノリにノッてるし、バンドのヒリヒリした演奏&アレンジも最高の一言。カミソリをイメージしたサウンドは確かに切れ味抜群なんだけど、同時にポップ&キャッチーさも備わっていることを忘れてはいけません。

オリジナル盤および現行盤はアナログA面が「Rapid Fire」から「United」までの5曲、B面が「You Don't Have To Be Old To Be Wise」から「Steeler」までの4曲という構成なのですが、僕が初めて聴いた80年代半ばは1曲目が「Breaking The Law」に変更され、2曲目から「Rapid Fire」「Metal God」「Grinder」「United」、アナログB面が「Living After Midnight」「You Don't Have To Be Old To Be Wise」「The Rage」「Steeler」という構成で、今とは異なるものでした。これ、実はUS盤の曲順とのことで、この流れに慣れ親しんでしまったものですから、のちにオリジナル盤の曲順に戻ったCDを聴いたときに違和感がしばらく残ったものでした。まあ、シングル曲を各面の頭に置く構成にした意味もわからないではないですけどね。

とにかく、プリーストを語る上で真っ先に挙がるであろうHR/HMの教科書的1枚。80年代のHR/HMシーンが新たな幕開けを飾る、その象徴と言える傑作です。

 


▼JUDAS PRIEST『BRITISH STEEL』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

 

なお、本作のリリース30周年を記念して2009年には同作完全再現パートを含むワールドツアーが実施され、この模様を収めたライブDVDを同梱したアニバーサリー・エディションも2010年に発売されています。この記念盤、国によっては最新ライブDVDから「Prophecy」を除いた15曲入りライブCDが追加された3枚組仕様も販売されています。こちらのライブディスクはiTunes Storeや一部ストリーミングサービスでも配信されているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

プリーストは同ツアーで、2009年10月に行われた『LOUD PARK 09』の初日ヘッドライナーとして来日しており、これがK.K.ダウニング(G)を含む編成での最後の来日となってしまいました。この際、僕は『TV Bros』の表紙および特集の一環としてロブ・ハルフォードにインタビューしており、当日はこの『BRITISH STEEL』のジャケTシャツを着て臨んだことをよく覚えています(ロブもかなり喜んでくれました)。インタビューはライブ当日午後に都内で行い、そのまま幕張入りして夜にはライブ……自分の人生にとっても忘れられない1日になりました。そういった意味でも、このアルバムは自分の音楽人生にとって大きな思い出の1枚でもあります。

 


▼JUDAS PRIEST『BRITISH STEEL: 30TH ANNIVERSARY EDITION』
(amazon:国内盤CD+DVD / 海外盤CD+DVD / MP3

 

2020年8月 7日 (金)

DEEP PURPLE『WHOOSH!』(2020)

2020年8月7日に全世界同時リリースされたDEEP PURPLE通算21作目のオリジナルアルバム。

ラストアルバムと噂された前作『INFINITE』(2017年)から3年4ヶ月という、最近の彼らにしては比較的短いスパンで届けられた本作。本国イギリスでは第2期での再結成アルバム『PERFECT STRANGERS』(1984年/5位)や『THE HOUSE OF BLUE LIGHT』(1987年/10位)以来となる全英TOP10入り(6位)を果たしたほか、ドイツやスイスでは1位を獲得、オーストリアやフィンランド、イタリア、オランダ、ノルウェー、スウェーデンでも10位以内にランクインする成功を収めました。また、同作を携えたワールドツアーも好評を博したこともあり、バンドの活動終了をもう少しだけ後ろ倒しにして、想定外の1枚を作ることになったようです。

……なんて話をどこまで信用していいのやら(笑)。プロレスとメタルの世界において引退は真に受けてはいけませんよね。とはいえ、前作の時点で年齢的にもこれがラストかなという印象は受けていたので、ファンからしたらうれしいサプライズなのでしょうか。

スティーヴ・モーズ(G)加入からすでに25年以上、ドン・エイリ(Key)が正式加入してから間もなく20年になろうとするこのタイミングに届けられた、現編成での5作目となる本作は、過去2作同様にボブ・エズリン(アリス・クーパーKISSPINK FLOYDなど)がプロデュースを担当。基本的には近作の方向性の延長線上にあるスタイルで、古き良き時代のパープルを見事に“演じ”きっています。演じると表現するとネガティブに捉えられるかもしれませんが、まったくそんなことはなく、むしろ変に革新的なことに挑戦されるよりも「誰が聴いてもパープル」と理解できるサウンド/楽曲に挑戦することが、彼らのような大御所には大切なんじゃないかと思っています。だって、実験的なことは若い頃に散々やってきたし、スティーヴ・モーズ加入後最初の1枚である『PURPENDICULAR』(1996年)だってある意味では実験的な作品でしたからね。

メンバー5人中4人が70代に突入し、最若手だったスティーヴ・モーズでさえ60代後半という事実が示すように、本作には荒々しさやスピード感といったものは皆無(『WHOOSH!』というタイトル自体はスピード感を表す擬音とのことですが、なんとも皮肉を感じさせます)。グルーヴィーさとユルさとの絶妙な隙間を突き進む様は、ある意味では『WHOOSH!』といったところかもしれません。ただ、そんな中でも「Nothing At All」や「No Need To Shout」のようなギター&オルガン(もしくはピアノ)の緊張感あふれるバトルがフィーチャーされた楽曲群には思わず手汗を握りますし、軽快さの強い大人なロックンロール「What The What」、不穏なイントロ&メロディが耳に残る「The Power Of The Moon」、52年前(!)に発表されたデビューアルバム『SHADES OF DEEP PURPLE』(1968年)のオープニングトラックを再録した「And The Address」など聴き応えのある楽曲も少なくなく、「死に損ないの年寄りの余興」とバカにできない1枚に仕上がっています(ごめんね辛口で)。

このバンドに対して今『IN ROCK』(1970年)『MACHINE HEAD』(1972年)『BURN』(1974年)と同レベルのクオリティを求めるのは酷以外の何ものでもないですし、そういった幻想はリッチー・ブラックモア(G)が抜けた時点で抱かないようにしているので、毎回新作に触れるときは平熱以下で向き合うようにしているのですが(余計にがっかりしないように)、今作も過去2作同様に聴き終えたあとの爽快感と満足感は一定以上得られるはずです。何を差し置いても聴くべし!と声高に宣言できるかと言われると困りますが、少なくとも「パープルの諸作品を聴いており、リッチー脱退後の作品も評価的に評価している」リスナーなら、文句なしに楽しめる1枚だと思います。

 


▼DEEP PURPLE『WHOOSH!』
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2020年8月 6日 (木)

DAVID BOWIE『HUNKY DORY』(1971)

1971年12月にリリースされたデヴィッド・ボウイの4thアルバム。

前作『THE MAN WHO SOLD THE WORLD』(1970年)からミック・ロンソン(G)、ミック・ウッドマンジー(Dr)が参加し、今作ではトレバー・ボルダー(B)が加わったことで、いよいよ次作『THE RISE AND FALL OF ZIGGY STARDUST AND THE SPIDERS FROM MARS』(1972年)への地盤が固まります。事実、アルバムの楽曲の多くは『ZIGGY STARDUST』とほぼ同時期に制作されたものが多く、次作ほどギラついていないものの『THE MAN WHO SOLD THE WORLD』から表出し始めた耽美な世界観は今作でも至るところに見つけることができます。

なによりも本作はまず、「Changes」というボウイにとって大きなテーマとなる1曲をオープニングに置いていることが大きい気がします。ここでの宣言が、次作でのグラムロック化(あるいはジギー・スターダストという“仮面”をかぶること)へとつながっていき、さらにその先に何度も迎える変化を示唆することになるわけです。

かと思えば、まるでミュージカルの中の1曲のようなドラマチックさが演出された名バラード「Life On Mars?」も次作への布石にも感じられる。また、美しさと儚さ、力強さを併せ持つや「Oh! You Pretty Things」や「Quicksand」、フォーキーな軽やかさが印象的な「Kooks」、アコギとハンドクラップと歌のみで構成されたどこかサイケデリックな「Andy Warhol」、次作以降のグラムロック感が強くにじみ出た「Queen Bitch」、ボウイ流オペラと言えなくもない「The Bewlay Brothers」など、とにかくクセの強い楽曲が並びます。

一方で歌詞に目を向けると、マスコミに対する皮肉が詰まった「Life On Mars?」や、自身の無力さを歌う「Quicksand」、精神病院に入った実兄への思いを綴った「The Bewlay Brothers」など、ダークめな内容も少なくなく、こういった狂気性は次作へとつながっていく。この、ちょっと「狂い始めた」感がその後のボウイらしさにも通ずるものがあり、グッとくるものがあります。

ハードさが目立つ『THE MAN WHO SOLD THE WORLD』とグラムロックの教科書的な『ZIGGY STARDUST』の間に挟まれた本作は、若干地味で穏やかに映るかもしれません。が、まるで「嵐の前の静けさ」を彷彿とさせるこの作風こそ、実はボウイの本領発揮と言えなくもないのでは? 派手なスーパースター的ボウイももちろん大好きですが、個人的には『‘hours...’』(1999年)あたりと並んで愛聴する機会の多い、隠れた名盤のひとつです。

 


▼DAVID BOWIE『HUNKY DORY』
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2020年8月 5日 (水)

RAINBOW『DOWN TO EARTH』(1979)

1979年7月にリリースされたRAINBOWの4thアルバム。

過去3作でフロントを務めたロニー・ジェイムズ・ディオ(Vo)が脱退し、新たに加入したのがTHE MARBLESなどロック/ポップスやR&Bなどのシーンで活動していたグラハム・ボネット。リッチー・ブラックモア(G)はこのTHE MARBLESの「Only One Woman」を聴いてグラハム加入を決めたそうですが、当時は短髪&オールバック、白スーツ姿というグラハムの風貌にファンから批判的な声が多かったそうです。

しかし、そのパワフルな歌声はロニーのそれとはタイプが異なるものの非常にメタリックで、かつ中音域の色気は随一。また、これまでさまざまなタイプの楽曲を歌ってきたこともあり、典型的様式美のハードロックからポップチューンやノリ一発のロックンロールまで歌いこなせる、RAINBOWにとって新たな武器として機能することになります。

実際、前作『LONG LIVE ROCK 'N' ROLL』(1978年)で垣間見られたポップな作風は本作で一気に開花し、「Since You Been Gone」(全米57位/全英6位)、「All Night Long」(全米110位/全英5位)というヒットシングルを生み出すことに成功します。これを受けて、アルバム自体も全米66位、全英6位まで上昇。シンガー交代は良い方向へと作用するのでした。

リッチー、グラハム、コージー・パウエル(Dr)に加え、元DEEP PURPLEのロジャー・グローヴァー(B)、ドン・エイリー(Key)という豪華な布陣で制作された本作。アルバム全体を見渡すと、コージーのパワフルなドラムを最大限にフィーチャーしたスリリングな「Lost In Hollywood」や、前作までのプログレッシヴな路線を引き継ぐ「Eyes Of The World」や「Danger Zone」のような様式美的楽曲は少なく、ポップな「All Night Long」「Since You Been Gone」やロックンロール調の「No Time To Lose」、R&Bやソウルの香りすら感じる「Makin' Love」など、全体的にコンパクトな楽曲が多く、前作『LONG LIVE ROCK 'N' ROLL』と次作『DEFFICULT TO CURE』(1981年)との橋渡し的な内容と言えるでしょう。ロニーが歌っても不思議じゃない「Love's No Friend」みたいな曲もありますが、基本的にはグラハムが歌ってこそという印象が強いかな。

本作があったから、80年代以降のRAINBOWの成功があるわけで、もっと言えばそれ以降のDEEP PURPLE再結成にもつながっていくわけです。さらに、グラハムもハードロック・シンガーとしての道を歩み続けることになる大きなターニングポイントにもなりましたし、いろんな人の人生を変えた、良くも悪くも罪作りな1枚と言えなくもありません。もちろん、内容が素晴らしいからそうなってしまったわけですが。

残念ながら、本作をもってコージーとグラハムはバンドを脱退。リッチーはサイドバンドを立て直し、ジョー・リン・ターナー(Vo)という新たな才能を発掘することになります。

 


▼RAINBOW『DOWN TO EARTH』
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2020年8月 4日 (火)

ALCATRAZZ『BORN INNOCENT』(2020)

2020年7月末にリリースされたALCATRAZZの4thアルバム。『DANGEROUS GAMES』(1986年)以来、実に34年ぶり(!)のニューアルバムです。

『NO PAROLE FROM ROCK'N'ROLL』(1983年)ではイングヴェイ・マルムスティーン、『DISTURBING THE PEACE』(1985年)ではスティーヴ・ヴァイというクセの強いギタリストを迎えてきたALCATRAZZ(というかグラハム・ボネット)。『DANGEROUS GAMES』ではダニー・ジョンソンという前任2名と比べるとネームバリューもカリスマ性も劣る人選だったためか、バンドは同作を最後に解散することになります。

その後、2006年に再結成してからはハウイー・サイモンを迎えてライブ活動を行っていましたが、2019年にジョー・スタンプという技術的にも知名度的にも文句なしのアックスマンが加入。ゲイリー・シェア(B)やジミー・ウォルドー(Key)といったオリジナルメンバー、そしてマーク・ベンケチェア(Dr)という新編成でオリジナルアルバム完成へと至るわけです。

気になる内容ですが、ネオクラシカルを基盤にした「いかにもグラハム・ボネットらしい」ハードロックが展開されています。ALCATRAZZらしいと言えば「らしい」仕上がりですし、別にALCATRAZZ以外の名前で発表されたとしても「グラハム・ボネットが関わったバンド」として捉えたら納得のいく内容ではないでしょうか。つまり、ALCATRAZZでデビューして以降のグラハムは常にこういった楽曲スタイルが求められ続けてきた、という表れかもしれません。そういう意味では、文句なしに満足できる「HR/HMの良作」だと断言できます。

ジョー・スタンプのプレイはどうかといいますと、「London 1666」や「Darkness Awaits」などではジョー・スタンプらしいテク&フレーズ炸裂のリフ&ソロワークを楽しむことができます。が……実は日本盤ボーナストラック含む全15曲中、6曲でゲストギタリストをフィーチャーしており、せっかくの見せ場が少なくなっている気がしないでもありません。だって、タイトルトラック「Born Innocent」にはクリス・インペリテリ、「Finn McCool.」には若井望、「I Am The King」にはボブ・キューリック(R.I.P.)などが参加しているわけですから。それでも、クセの強いゲストに負けない個性を発揮しているので、最後まで安心して楽しめるのではないでしょうか。

とにかく本作、34年ぶりの新作というお祭り感が強く、スティーヴ・ヴァイが「Dirty Like The City」の作曲に携わったのに加え、RIOTRIOT Vのドン・ヴァン・スタヴァン(B)やMICHAEL SCHENKER FESTのスティーヴ・マン(今回はブラス・アレンジ)などもゲスト参加。その他のゲストプレイヤー含め、グラハムとALCATRAZZを祝福するような豪華な仕上がりとなっています。その結果が全15曲で68分半という長尺にも表れているのでしょう。海外盤は「Darkness Awaits」と「Reality」を除く13曲入りで60分以内に収まっていますが、はやり長すぎて1曲1曲のインパクトが薄まってしまっているのは否めません。特にその感覚は、後半に進めば進むほど……絞りに絞って、全10曲くらいのコンパクトな内容だったら、もっと手放しで喜べたんですけどねえ。

まあ、だからといって捨て曲が含まれているわけではないので、ここからじっくり時間をかけて、すべての曲を堪能できればと思います。良い曲が多いというのも困りものですね(苦笑)。

 


▼ALCATRAZZ『BORN INNOCENT』
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2020年8月 3日 (月)

DREAM THEATER『FALLING INTO INFINITY』(1997)

1997年9月にリリースされたDREAM THEATERの4thアルバム。

前作『AWAKE』(1994年)発表前後にケヴィン・ムーア(Key)が脱退し、新たにデレク・シェリニアン(現SONS OF APOLLO)が加入。1995年秋には23分にもおよぶ超大作タイトルトラックを含むEP『A CHANGE OF SEASONS』をリリースし、満を辞してこのフルアルバムに取り組みます。

新たなプロデューサーとしてケヴィン・シャーリー(AEROSMITHIRON MAIDENJOURNEYなど)を迎え制作した本作は、前作での作風をベースにしつつも楽曲1つひとつの完成度を高めることに注力し、なおかつそれらにDTらしいインタープレイを効果的に取り入れるという進化したバンドの姿を提示しています。メロディに関して言えば、前作がそのヘヴィな音像に合わせるかのようにモノトーン調だったのに対し、今作はより色彩豊かで耳に残る良メロを量産。『IMAGES AND WORDS』(1992年)のようにメタル的ハイトーンを多用したメロとは異なる、大人の落ち着きと、純粋に「ポップスとして成立する」メロディが多数用意されています。

また、楽曲の質感やジャンルの幅もかなり広がっており、一概にHR/HMの枠には収まりきらない楽曲も増え始めています。そのもっともたる例が「Hollow Years」や「Anna Lee」といったバラードでしょう。特に前者はリリース時期的にもスティング「Shape Of My Heart」(映画『レオン』でおなじみ)と重なる印象があり、間違いなくそのへんの層を意識した1曲なのでしょう。

かと思えば、難解なプレイが全面フィーチャーされた12分におよぶ「Lines In The Sand」ではソウルフルなフィーリングが強まることで曲が持つ緊張感が強まっているし(ゲスト参加のKING'S Xのフロントマン、ダグ・ピニックのボーカルパフォーマンスのさすがの一言)、モノトーンな前半からどんどんヘヴィさが増していく「Peruvian Skies」なんて90年代のMETALLICA的な色合いすら感じられる。「Hell's Kitchen」のような“らしい”インストナンバーがあったり、シングルカットできそうなポップなミディアムバラード「Take Away My Pain」、今でもライブではおなじみの「Just Let Me Breathe」もあり、アルバムラストには13分超の3部作「Trial Of Tears」も存在する。全体のバランスとしてはかなり緩急に富んだ1枚で、もしかしたら前作『AWAKE』でふるいにかけられた『IMAGES AND WORDS』からのHR/HMリスナーの中には、ここで離脱してしまったなんて人もいるのではないでしょうか。

良く言えばバンドとしての表現の幅が急速に広がった実験的意欲作、悪く言えば「売れる」ことを意識しすぎてメタルバンドとしての焦点がぼやけた不発作と言えなくもありません。しかし、ファンには馴染み深い良曲/人気曲も多く含まれていることから、決して駄作ではないはず。その後20年以上続くDTの歴史的にも評価の難しい1枚ですが、個人的には前作『AWAKE』から引き続き愛聴した“好み”の作品です。もしかしたら自分、このバンドに対してヘヴィメタル的な側面はそこまで求めていないのかもしれませんね(苦笑)。

 


▼DREAM THEATER『FALLING INTO INFINITY』
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2020年8月 2日 (日)

SHINEDOWN『THE SOUND OF MADNESS』(2008)

2008年6月にリリースされたSHINEDOWNの3rdアルバム。日本盤は同年10月に発表されています。

デビューアルバム『LEAVE A WHISPER』(2003年)が全米53位、続く2作目『US AND THEM』(2005年)が同23位と着実に順位を上げ続け、両作ともアメリカで100万枚を超えるセールスで成功を収めたSHINEDOWN。この3rdアルバムはその人気を確実な形で決定づけるものとなり、全米8位まで上昇したほか、「Second Chance」(全米7位)、「Sound Of Madness」(同85位)、「If You Only Knew」(同42位)、「The Crow & The Butterfly」(同97位)といったヒットシングルまで生み出しました。結果、アルバムは全米のみで200万枚を超える、現時点までで最大のヒット作となりました。

PEARL JAM以降の陰りのある土着型ポスト・グランジ的スタイルで人気を博した彼らですが、新たにロブ・キャヴァロ(GREEN DAYMY CHEMICAL ROMANCE、GOO GOO DOLLSなど)をプロデューサーに迎えた本作ではそのダークさを払拭し、強靭なハードロックサウンドと適度な湿り気を持つメロウなミディアム/スローナンバーを武器に、一気にメインストリームへと躍り出ることになります。

とにかく、モダンなアメリカン・ハードロックとしてかなり細部にまで神経の行き届いた作り込みで、「詰め込みすぎず、かといってスカスカでもない」バンドアンサンブルとブレント・スミス(Vo)の「高音域の伸びが良い」ボーカルが非常に気持ちいいんです。アルバム構成もアップチューンとミディアムナンバーでの緩急の付け方が非常に上手で、適度な緊張感を持って楽しむことができるスリリングな作風はさすがの一言。「Devour」や「Cry For Help」のようなアゲ曲ではしっかり気持ちを高揚させ、ストリングスなどを効果的に取り入れたミディアムバラード「Second Chance」や「The Crow & The Butterfly」ではロックとしての強度とポップソングとしてのクオリティが両立されているんですから、完璧としか言いようがありません。

2000年代半ばのUSロックシーンはGREEN DAYが『AMERICAN IDIOT』(2004年)をバカ売れさせ、カナダ出身のNICKELBACK『ALL THE RIGHT REASONS』(2005年)で1000万枚級のメガヒットを達成し、MY CHEMICAL ROMANCEが『THE BLCK PARADE』(2006年)で一時代を築き上げるなど、新たな潮流が生まれ始めていた時期。このSHINEDOWNも今作にて、間違いなくその仲間入りを果たすことになるわけです。

しかし、この成功がのちにブレントに大きなプレッシャーを与えることになり、以降の苦悩が現時点での最新作『ATTENTION ATTENTION』(2018年)にて描かれることになるわけです。

なお、この『THE SOUND OF MADNESS』は2010年にボーナストラック9曲とボーナスDVDを追加したデラックス・エディションも発売されています。このボートラの中にはリジー・ヘイル(HALESTORM)をフィーチャーした「Breaking Inside」なども収められているので、あわせてチェックしてみてください。

 


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2020年8月 1日 (土)

2020年6月のアクセスランキング

ここでは2020年6月1日から6月30日までの各エントリーへのアクセスから、TOP30エントリーを紹介します。内訳は、トップページやアーティスト別カテゴリーへのアクセスなどを省いた上位30記事。まだ読んでいない記事などありましたら、この機会に読んでいただけたらと。

ちなみに記事タイトルの後ろにある「(※XXXX年XX月XX日更新/↓●位)」の表記は、「更新日/2020年5月のアクセスランキング順位」を表しています。

 

1位:追悼:足立“YOU”祐二 〜DEAD ENDディスコグラフィー①〜(※2020年6月21日更新/NEW!)

2位:BRING ME THE HORIZON『Music to listen (中略) to-GO TO』(2019)(※2019年12月31日更新/↑7位)

3位:THUNDERPUSSY『THUNDERPUSSY』(2018)(※2018年6月28日更新/↓2位)

4位:WHITESNAKE『THE ROCK ALBUM』(2020)(※2020年6月25日更新/NEW!)

5位:ANTHRAX『FISTFUL OF METAL』(1984)(※2020年6月2日更新/NEW!)

6位:VANDENBERG『2020』(2020)(※2020年6月9日更新/NEW!)

7位:NAILBOMB『POINT BLANK』(1994)(※2018年5月12日更新更新/↓6位)

8位:DEAD END『METAMORPHOSIS』(2009)(※2020年6月22日更新/NEW!)

9位:WHITESNAKE『SLIDE IT IN: THE ULTIMATE SPECIAL EDITION』(2019)(※2019年3月27日更新/Re)

10位:DEAD END『GHOST OF ROMANCE』(1987)(※2020年6月21日更新/NEW!)

 

11位:DEAD END『DEAD LINE』(1986)(※2020年6月21日更新/NEW!)

12位:JAMES DEAN BRADFIELD『THERE'LL COME A WAR / SEEKING THE ROOM WITH THE THREE WINDOWS』(2020)(※2020年6月28日更新/NEW!)

13位:AVENGED SEVENFOLD『DIAMONDS IN THE ROUGH』(2020)(※2020年2月8日更新/Re)

14位:LED ZEPPELIN『CODA』(1982)(※2020年6月5日更新/NEW!)

15位:RIVERDOGS『RIVERDOGS』(1990)(※2020年6月6日更新/NEW!)

16位:BRING ME THE HORIZON『PRASITE EVE』(2020)(※2020年6月27日更新/NEW!)

17位:CINDERELLA『LONG COLD WINTER』(1988)(※2015年4月29日更新/↓11位)

18位:SLY『SLY』(1994)(※2020年6月11日更新/NEW!)

19位:THE BLACK CROWES『BY YOUR SIDE』(1999)(※2020年6月18日更新/NEW!)

20位:THE CULT『ELECTRIC』(1987)(※2017年9月22日更新/↑27位)

 

21位:GREAT WHITE『HOOKED』(1991)(※2020年6月26日更新/NEW!)

22位:DEAD END『Dream Demon Analyzer』(2012)(※2020年6月23日更新/NEW!)

23位:DEAD END『shambara』(1988)(※2003年8月11日更新/Re)

24位:DEF LEPPARD『HYSTERIA AT THE O2』(2020)(※2020年6月7日更新/NEW!)

25位:ANDY McCOY『21ST CENTURY ROCKS』(2019)(※2019年9月30日更新/↓16位)

26位:追悼:足立“YOU”祐二 〜DEAD ENDディスコグラフィー②〜(※2020年6月24日更新/NEW!)

27位:DEAD END『ZERO』(1989)(※2000年7月22日更新/Re)

28位:IN FLAMES『CLAYMAN』(2000)(※2020年6月12日更新/NEW!)

29位:TOMMY LEE『KNOCK ME DOWN』『TOPS』(2020)(※2020年6月15日更新/NEW!)

29位:SLAYER『REIGN IN BLOOD』(1986)(※2018年3月8日更新/↓18位)

29位:RED HOT CHILI PEPPERS『ONE HOT MINUTE』(1995)(※2017年7月21日更新/Re)

29位:WHITESNAKE『SLIP OF THE TONGUE: 30TH ANNIVERSARY EDITION』(2019)(※2019年10月9日更新/Re)

 

6月は29位が4本あったので、計32エントリーとなりました。

6月はなんといっても、足立“YOU”祐二(DEAD END)急逝を受けて執筆したいくつかのエントリーと、過去(2000〜2003年頃)に執筆したエントリーが上位にランクインしました。特に過去エントリー2本はこの急逝を受けてリライトしたものだったので、それも大きかったのかもしれません。これらおエントリーを経て、多くの人がDEAD ENDおよびYOUさんの音楽にたどり着いてくれることを願ってやみません。

また、今月は新規エントリーに多数アクセスが集まったのも、ここ最近では珍しい傾向でした(32タイトル中19本)。これまでは過去の名盤エントリーが上位を占めることが多かったのですが、2018年以前に執筆したエントリーは6作品のみ(DEAD END除く)。中でも、THUNDERPUSSYのアルバムが定期的に上位ランクインするのは非常に興味深い傾向だなと思いました。だって、決してメジャーな存在ではないですものね(だからこそ、情報が少なくてアクセスが集まるのかもしれませんが)。

NICKELBACK『ALL THE RIGHT REASONS』(2005)

2005年10月にリリースされたNICKELBACKの5thアルバム。

Roadrunner Records移籍第1弾アルバム(通算3作目)『SILVER SIDE UP』(2001年)が本国カナダとイギリスで1位、アメリカでも2位まで上昇し、全世界トータル1000万枚を超える大ヒットを記録。同作からは「How You Remind Me」という全米No.1シングルも生まれ、一躍「時の人」となったNICKELBACKですが、続く『THE LONG ROAD』(2003年)は全体的にセールスを半分にまで落としてしまいます(それでも全米300万枚、全世界で500万枚以上売り上げているのですが)。

そんな彼らが起死回生とばかりに本領発揮させた5作目は、全曲がシングルカットできそうなモンスターアルバムに。実際、同作からは「Photograph」(全米2位)、「Animals」(同97位)、「Far Away」(同8位)、「Savin' Me」(同19位)、「Rockstar」(同6位)、「If Everyone Cared」(同17位)、「Side Of A Bullet」と全11曲中7曲ものヒットシングルが生まれています。これはまさに「21世紀の(DEF LEPPARDにおける)『HYSTERIA』」と言える内容ではないでしょうか。

実際、その中身も初期のポスト・グランジ的作風からよりアリーナロック〜スタジアムロックへとスケールアップしており、適度なハードさと大衆性をバランスよくミックスさせた聴きやすい内容ですし、王道のハードロックとしても、90年代以降のオルタナ/グランジの進化形としても、はたまた2000年代のニューメタル経由でも楽しめる1枚だと断言できます。こういう鉄壁さこそ、まさに「21世紀の『HYSTERIA』」と呼ぶにふさわしいものでしょう。

『HYSTERIA』もそうなんですが、結局は楽曲の良さ/ポピュラリティであり、その次にくるのが「ボーカルの声質」だと僕は思っていて。ジョー・エリオットのハスキーさと、あの何十、何百にも重なったコーラスワークには敵うものはないのでは?と思ってしまうんです。そこと比べると、このNICKELBACKのアルバムには何層ものハーモニーこそないものの、それを補って余りあるほど魅力的なチャド・クルーガー(Vo, G)の歌声が存在する。このチャドの声みはグランジ以降のロックとシンクロする魅力が備わっており、個性的だけど不快ではない、むしろ心地よさを覚える……それが高性能な楽曲群とミックスされるわけですから、悪いわけがない。プラスとプラスの掛け算、その答えは我々の想像を絶する数値になったわけです。

なもんですから、本作がアメリカだけで1000万枚を超えるメガヒット作になるというのも頷ける話。チャートでも初のアルバム全米No.1を獲得し、全世界でトータル1900万枚を超える最大のヒット作となるのでした。この成功を機に、続く『DARK HORSE』(2008年)ではかの『HYSTERIA』を手がけたジョン・マット・ラングとタッグを組むことになります。やっぱり、そこに行きたかったんだね、君たち……。

なお本作、今年でリリース15周年を迎えることを記念して、10月2日にボーナスディスクを付けたエクスパンド・エディションが発売されるとのこと。全編リマスタリングが施され、QUEEN「We Will Rock You」のカバーをはじめとするシングルC/W曲の追加に加え、2006年8月8日のライブ音源(12曲)を収めたボーナスディスクが付属するそうです。こちらも楽しみですね。

 


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