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2020年8月29日 (土)

METALLICA『S&M2』(2020)

2020年8月28日にリリースされたMETALLICAの最新ライブ作品。

本作は1999年に実演されたMETALLICA+オーケストラによるコラボレーションライブ『S&M 〜Symphony & METALLICA〜』の開催20周年を記念して、2019年9月6日と8日に地元サンフランシスコで開催された『S&M2』の模様を完全収録したもの。つまり、アルバムやライブ映像作品としても先の初演を収めた『S&M』(1999年)に続く、オーケストラとの共演ライブアルバム/映像作品第2弾となります。

初演時はマイケル・ケイメンが企画をMETALLICAに持ちかけ、それにバンドが応えるという形で実施されましたが、あれから20年の間にマイケル・ケイメンが亡くなり、それと前後してMETALLICAからもジェイソン・ニューステッド(B)が脱退。ご存知のとおり、『ST. ANGER』(2003年)完成後にロバート・トゥルヒーヨ(トゥルージロ表記からオリジナルの発音に近い表記に変更されたんですね)が加入したことで、バンド側もオーケストラ側も新鮮な気持ちで再演に臨めたのではないでしょうか。

再演とはいっても、演目はかなり変更になっていまして、20年前にはなかった「The Day That Never Comes」「Confusion」「Moth Into Flame」「Halo On Fire」「The Unforgiven III」「All Within My Hands」といった新曲が増えていますし、1stアルバム『KILL 'EM ALL』(1983年)からのインスト「(Anesthesia) - Pulling Teeth」も新たに追加されている。さらに、今回はオーケストラとの真の意味での“共演”色を強めるため、オケのみの演奏曲「Scythian Suite, Opus 20 II: The Enemy God And The Dance Of The Dark Spirits」やバンドがオーケストラ側に寄り添った共演曲「The Iron Foundry, Opus 19」も用意されており、「オーケストラとの共演だからといって新たにアレンジされているわけでもなく、METALLICA自体はこれまでのライブ同様のプレイ」「単純にオーケストラ側がそれに合わせて演奏し、音に厚みを加える」というスタイルだった前作(初演)から大きな進歩を見せています(人間的に丸くなったんですね、ジェイムズもラーズも)。

さらに、「The Unforgiven III」ではジェイムズ・ヘットフィールド(Vo, G)がオーケストラに単身乗り込み、マイク1本でシンガーとしての成長を提示し、「(Anesthesia) - Pulling Teeth」ではラーズ・ウルリッヒ(Dr)がコントラバス奏者とロック色濃厚な熱いバトルを繰り広げる。このへんは音源としてはもちろんですが、映像でも見応えがある素晴らしいテイクなので、ぜひチェックしてみてください。あ、カーク・ハメット(G)もいい仕事してますよ(笑)。なんだかんだで、この人が軸になっているようなところもあるんじゃないかと、このライブ映像を観て感じることも多かったですし。

映像といえば、今回は最近のMETALLICAのライブに近い形でステージセットが組まれており、アリーナ中央に円形ステージを設置して、中央のバンドを囲むような形でオーケストラが配置されています。これも20年前には実現不可能だったことだと思います(技術的に、バンドのエゴ的にも)。そのへんもぜひ、Blu-rayにて確認してもらいたいなと思います。

とにかく、アレンジの馴染み方が前作『S&M』以上だと思います。同じ曲ひとつ取り上げても、例えば「The Outlaw Torn」なんて雲泥の差ですからね。ミドルテンポナンバー中心で構成された今回のセットリストも、実はオケとの親和性を考慮してのものなんじゃないかと想像しますが、いかがでしょう?

……なんてことを、さらに詳しくムック『ヘドバン』最新号やWEBサイト『Rolling Stone Japan』にて執筆しています。RSJでは4000字近くにわたり熱を持って書かせてもらったので、詳細はそちらに譲ります(基本的に伝えたいことはすべて、『ヘドバン』とRSJで描き切りましたからね)。

まあとにかく、あれです。本作はニューアルバムとして十分に機能する高品質な1枚です(CD2枚組だけど。アナログは4枚組だけど)。

 


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