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2020年8月16日 (日)

KISS『DRESSED TO KILL』(1975)

昨日のSHARPTOOTHのレビューで触れた「そもそもロック黎明期はそれくらい(アルバムは10数曲で30分前後)のトータルランニングが当たり前」という話題から、今日はKISSが1975年3月にリリースした3rdアルバムについて紹介したいと思います。

……え、もう45年も前のアルバムなの?(笑) ほぼ半世紀前じゃん! 初めてこのアルバムに触れたタイミングが、オリジナル盤リリースから10数年後だったことを考えると、自分がいかに歳取ったかを思いしらされます(苦笑)。

ビートルズをハードロック化させたかのような1stアルバム『KISS』(1974年)、ヘヴィさに比重を置くも録音状態のせいでのちのグランジロック的な不思議な仕上がりになった2nd『HOTTER THAN HELL』(1974年)を経て、半年という短いスパンで届けられた今作は、KISSにとって大きなターニングポイントとなった1枚。なにせ、本作からは「Rock And Roll All Nite」(全米68位)というヒットシングルを生み出し、その効果もあってアルバム自体も初のTOP40入り(全米32位)を果たしたわけですから。ちなみに「Rock And Roll All Nite」は、続くライブアルバム『ALIVE!』(1975年)からシングルカットされたライブテイクがさらなるヒット(全米12位)を記録しており、ファンにはこちらのバージョンのほうが有名かもしれません。

さて、本作ですが基本的には1stアルバムをより軽やか、かつしなやかにバージョンアップさせた内容と言えるでしょう。いかにもKISSらしいドラマチックなイントロを持つ「Rock Bottom」や、どこか泣きメロ的にも聞こえてくる名曲「C'mon And Love Me」、過去2作で見せたヘヴィさを強調させた「She」などの楽曲が印象に残るものの、やはり今作は「Room Service」や「Anything For My Baby」「Love Her All I Can」、そして「Rock And Roll All Nite」に見られるシンプル&ストレートなロックンロールナンバーが聴きどころではないでしょうか。この軽やかさは過去2作にはなかったものだと思いますし、この勢いがのちの『ALIVE!』へとつながっていくわけですから、KISSの成功を語る上でも本作での進化は特筆すべきポイントだと思っています。

とにかく、どの曲もコンパクトでシングルライクなものばかり。このへんの作りからも、当時の彼らが起死回生の一撃を狙っていたことが伺えるのではないでしょうか。ポール・スタンレー(Vo, G)が5曲、ジーン・シモンズ(Vo, B)が3曲、ピーター・クリス(Vo, Dr)が1曲、そしてポール&ジーン&ピーターで歌い分ける1曲というボーカルバランスも絶妙ですしね(そんな作品から、ジーンVo曲の「Rock And Roll All Nite」がシングルヒットするというのも興味深いですし)。

『ALIVE!』で一区切りをつけたKISSは、4作目のスタジオアルバム『DESTROYER』(1976年)でロックンロールバンド的なラフさよりも「作品」を「作り込む」作風へとシフトしますが、そういった意味ではバンド初期の勢いがストレートに感じられるスタジオアルバムは本作までと言ってもいいかもしれません。

 


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