« ALCATRAZZ『BORN INNOCENT』(2020) | トップページ | DAVID BOWIE『HUNKY DORY』(1971) »

2020年8月 5日 (水)

RAINBOW『DOWN TO EARTH』(1979)

1979年7月にリリースされたRAINBOWの4thアルバム。

過去3作でフロントを務めたロニー・ジェイムズ・ディオ(Vo)が脱退し、新たに加入したのがTHE MARBLESなどロック/ポップスやR&Bなどのシーンで活動していたグラハム・ボネット。リッチー・ブラックモア(G)はこのTHE MARBLESの「Only One Woman」を聴いてグラハム加入を決めたそうですが、当時は短髪&オールバック、白スーツ姿というグラハムの風貌にファンから批判的な声が多かったそうです。

しかし、そのパワフルな歌声はロニーのそれとはタイプが異なるものの非常にメタリックで、かつ中音域の色気は随一。また、これまでさまざまなタイプの楽曲を歌ってきたこともあり、典型的様式美のハードロックからポップチューンやノリ一発のロックンロールまで歌いこなせる、RAINBOWにとって新たな武器として機能することになります。

実際、前作『LONG LIVE ROCK 'N' ROLL』(1978年)で垣間見られたポップな作風は本作で一気に開花し、「Since You Been Gone」(全米57位/全英6位)、「All Night Long」(全米110位/全英5位)というヒットシングルを生み出すことに成功します。これを受けて、アルバム自体も全米66位、全英6位まで上昇。シンガー交代は良い方向へと作用するのでした。

リッチー、グラハム、コージー・パウエル(Dr)に加え、元DEEP PURPLEのロジャー・グローヴァー(B)、ドン・エイリー(Key)という豪華な布陣で制作された本作。アルバム全体を見渡すと、コージーのパワフルなドラムを最大限にフィーチャーしたスリリングな「Lost In Hollywood」や、前作までのプログレッシヴな路線を引き継ぐ「Eyes Of The World」や「Danger Zone」のような様式美的楽曲は少なく、ポップな「All Night Long」「Since You Been Gone」やロックンロール調の「No Time To Lose」、R&Bやソウルの香りすら感じる「Makin' Love」など、全体的にコンパクトな楽曲が多く、前作『LONG LIVE ROCK 'N' ROLL』と次作『DEFFICULT TO CURE』(1981年)との橋渡し的な内容と言えるでしょう。ロニーが歌っても不思議じゃない「Love's No Friend」みたいな曲もありますが、基本的にはグラハムが歌ってこそという印象が強いかな。

本作があったから、80年代以降のRAINBOWの成功があるわけで、もっと言えばそれ以降のDEEP PURPLE再結成にもつながっていくわけです。さらに、グラハムもハードロック・シンガーとしての道を歩み続けることになる大きなターニングポイントにもなりましたし、いろんな人の人生を変えた、良くも悪くも罪作りな1枚と言えなくもありません。もちろん、内容が素晴らしいからそうなってしまったわけですが。

残念ながら、本作をもってコージーとグラハムはバンドを脱退。リッチーはサイドバンドを立て直し、ジョー・リン・ターナー(Vo)という新たな才能を発掘することになります。

 


▼RAINBOW『DOWN TO EARTH』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

« ALCATRAZZ『BORN INNOCENT』(2020) | トップページ | DAVID BOWIE『HUNKY DORY』(1971) »

Cozy Powell」カテゴリの記事

1979年の作品」カテゴリの記事

Rainbow」カテゴリの記事

Graham Bonnet」カテゴリの記事

カテゴリー