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2020年8月25日 (火)

ALICE IN CHAINS『THE DEVIL PUT DINOSAURS HERE』(2013)

2013年5月下旬にリリースされたALICE IN CHAINS通算5作目のオリジナルアルバム。日本盤は同年6月中旬に発売されました。

レイン・ステイリー(Vo)亡きあと、新たにウィリアム・デュヴァールをフロントマンに迎え2005年に再始動したALICE IN CHAINS。新編成によるアルバム『BLACK GIVES WAY TO BLUE』(2009年)は全米5位、50万枚を超えるヒットとなり、再結成は好意的に受け入れられました。

それから約4年を経て届けられた、新編成2作目のアルバム。再びニック・ラスクリネクツ(FOO FIGHTERSMASTODONSTONE SOURなど)をプロデューサーに迎え、見事に前作を上回る完成度の良作を届けてくれました。

オープニングを飾る「Hollow」のヘヴィさ、ボーカルパートに入ると聞こえてくる不穏なハーモニー……そう、どこからどう聴いてもALICE IN CHAINSの新曲に他なりません。続く2曲目「Pretty Done」も同系統のスタイルながらも、決して同じような作風にならないような工夫が施されています。それは3曲目の「Stone」も同様。

で、ここで気づくのです。あ、ジェリー・カントレル(Vo, G)のソロ(リード)ボーカルは聞こえてくるけど、レイン・ステイリーの声はもう聞こえてこないんだ、と。当たり前のことですが、前作を聴いたときは復活したこと、再び新曲、新作が聴けたことがうれしすぎて、そこまで気が回らなかったんですね。だけど、2作目ともなるとさすがに気づくわけですよ、2度と戻ってこない宝に。

あのアクの強さがないぶん、全12曲で67分という長尺作品に引きつけるには相当な技量がないと難しいと思います。しかし、結果はどうでしょう? どの曲にもフックが用意されていて、1枚のロックアルバムとしては確かに高品質で最後まで安心して楽しめる。だけど、もう“あの”ALICE IN CHAINSは戻ってこない……そこだけが引っかかってしまうのです。

ジェリーがメインとなる楽曲ばかりに目が(耳が)行きがちですが、ウィリアムも良い声しているんですよね。ただ、どうしても「型」にこだわりすぎてしまい、新しい編成を上手に使いこなせていない印象を受ける。欠点を挙げるとすれば、そこが一番大きいのかな。レインの不在については今さらどうにもなりませんし、もしそこだけがずっと引っかかるのであれば新譜なんて聴かずに90年代のアルバムだけを聴いていればいいわけですから……。

前作にかけられた魔法がこのアルバムで解けてしまうものの、バンドはさらに新たな魔法を手に入れる。それが次作であり現編成での最高傑作『RAINIER FOG』(2018年)になるわけですが、そこに到達するまであと5年待たねばならないわけです。

とはいいながら、本作は90年代のキャリアに接近する全米2位という好記録を樹立。売上枚数は50万枚に満たなかったものの、ちゃんとリスナーから支持されていたことが伺えます。

 


▼ALICE IN CHAINS『THE DEVIL PUT DINOSAURS HERE』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / MP3

 

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