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2020年9月28日 (月)

DEFTONES『OHMS』(2020)

2020年9月25日にリリースされたDEFTONESの9thアルバム。

前作『GORE』(2016年)から4年という比較的長いスパンを置いて届けられた本作は、デビュー作『ADRENALINE』(1995年)を筆頭に、2作目『AROUND THE FUR』(1997年)、3作目『WHITE PONY』(2000年)、4作目『DEFTONES』(2003年)とごく初期からブレイク期までの諸作品を手がけたテリー・デイト(PANTERASOUNDGARDENLIMP BIZKITなど)がプロデュースを担当。バンドは本来、2008年から制作していた『EROS』という未完のアルバムでもテリーと再タッグを組んでいましたが、ご存知のとおりチ・チェン(B)が同年11月に交通事故に遭い、意識不明の重体に。これにより、『EROS』の制作はチ・チェンの回復まで待つことになるのですが、2013年4月にこの世を去ったことにより現在まで制作がストップしています。あれから10年以上の空白期間を経て、バンドはまっさらな新作でテリーと再コラボすることになります。

前作『GORE』はサンプリング要素を最小限に抑え、ヘヴィなギターを軸にしたサウンドメイキング……チノ・モレノ(Vo, G)言うところの〈the singer playing Morrissey to the guitarist's Meshuggah〉な作風に仕上がっていたと思います。個人的にも名盤『WHITE PONY』に匹敵する力作だと思っていましたが、続く本作はそれをさらに上回る、最上級のDEFTONESサウンドが展開されているのです。いやはや、驚きましたよ。

テリー・デイトによるミキシングの効果なのか、全体的にささくれ立ったサウンドメイキングが印象的な本作は、『WHITE PONY』的なポストロック要素も随所に散りばめられてはいるものの、芯にあるのは『AROUND THE FUR』でのメタリックなカラーと、『DEFTONES』で繰り広げられたプログレッシヴなスタイル。前作のような〈the singer playing Morrissey〉的メロウさももちろん残されているものの、同じくらい初期のDEFTONESらしいスクリームも増えています。

リフワークにしても、オープニングを飾る「Genesis」を筆頭に、本作中でもっとも過激な「Radiant City」、そして「Ohms」とギター、ベースともにヒリヒリするような音色の名フレーズを提供してくれているし、サンプリングやシンセを多用した「Pompeji」から「This Link Is Dead」の流れなどはPINK FLOYD的ですらあるし、ヘヴィなリフが繰り返される「Radiant City」のバックにも浮遊感の強いシンセが被せられている。すべてが適材適所と言わんばかりにバランスよく配置されているのだけど、それでいてどこかで破綻してしまいそうな危うさもしっかり残されているんだから、聴いていてドキドキが止まらないわけです。

ラップメタル的なカラーが思い出させてくれる90年代の懐かしい情景、ポストロックからプログレまでジャンルの拡大により壁を壊し続けた2000年代、そして大切なメンバーを失いながらも前進と進化を選んだ2010年代。このすべての経験が凝縮された、ある意味で集大成的なのに新しさすら感じさせてくれる本作は、DEFTONES以外の何者でもないし、DEFTONESにしか作れない唯一無二の1枚だと思います。いやあ、傑作すぎて言葉を失います。

 


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