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2020年10月 1日 (木)

AC/DC『BALLBREAKER』(1995)

1995年9月末にリリースされたAC/DCの12thアルバム(本国オーストラリアでは13作目)。日本盤は同年10月上旬に発売されました。

ドラマーにクリス・スレイドを迎えた前作『THE RAZORS EDGE』(1990年)は全米2位と、『BACK IN BLACK』(1980年/全米4位)や『FOR THOSE ABOUT TO ROCK WE SALUTE YOU』(1981年/同1位)に並ぶ数字を叩き出し、セールス的にも全米のみで現在までに500万枚突破という大成功を収めました。また、同作を携えたワールドツアーも好評を博し、その模様を収めたライブアルバム『AC/DC LIVE』(1992年)も300万枚超の売り上げで、バンドは第二の全盛期を迎えます。

1993年にはアーノルド・シュワルツェネッガー主演映画『ラスト・アクション・ヒーロー』のサウンドトラックに、リック・ルービン(RED HOT CHILI PEPPERSSLAYERTHE BLACK CROWESなど)をプロデューサーに迎えた新曲「Big Gun」を提供。バンドとして非常にノリにノッた様子が伺えました。と同時に、この頃から「次のアルバムはリック・ルービンがプロデュースを担当する」という情報が出回り始めます。

そして、同作のレコーディングに入った頃、1983年に脱退したフィル・ラッド(Dr)にドラマーが交代。70年代半ばから80年代初頭の黄金期メンバーが出揃った形で、約5年ぶりのアルバムが制作されることになります。

リック・ルービンのほか、前作にも携わったマイク・フレイザーがコ・プロデュース&ミックスで参加。これにより、サウンド的には『THE RAZORS EDGE』のタイトさを保ちつつも、スタジアムロック的なファットさが減退し、90年代半ばというグランジ〜オルタナ全盛期のフィットしたドライな質感でまとめられています。

楽曲自体は前作ほどのキャッチーは感じられず、最初こそ「地味だな」と不安を覚える内容かもしれません。それは「You Shook Me All Night Long」や「Who Made Who」「Moneytalks」といったパーティロック調の楽曲が排除されていること、「Let There Be Rock」「Heatseeker」「Fire Your Guns」のようなファストチューンが用意されておらずミディアム〜スローテンポで統一された作風であることも大きく影響しています。また、メロディセンスも『THE RAZORS EDGE』や続く「Big Gun」ほどストレートにわかりやすいものが少ない。リリース当時は本作、以前ほど聴き込まなかった記憶があります。きっと、当時来日公演が実現していたら、その評価も少しは変わったのかな?

しかし、リリースから25年経った今聴くと、不思議と楽しめる自分がいるんです。あれ、いいじゃんこれ……と。確かに『THE RAZORS EDGE』ほどの即効性はないかもしれません。しかし、“『BACK IN BLACK』的なAC/DC”を求める2000年代以降の彼らのアルバムに慣れた耳には、十分すぎるほどに“わかりやすく”感じられる。時の流れがそうさせたのか、それとも自分が成長した(年取った)のか……なんにせよ、うれしい驚きでした。

まあそれでも、彼らのキャリアの中では地味な部類の作品に入ると思います。だけど、「Hard As A Rock」「Cover You In Oil」「Burnin' Alive」「Hail Caesar」「Caught With Your Pants Down」「Whiskey On The Rocks」など、いい曲も決して少なくない。AC/DCの魅力にハマってしまった体なら文句なしに楽しめる1枚だと思います。

なお、そんな本作は全米4位まで上昇し、200万枚以上を売り上げるヒット作に。本国オーストラリアでは『BACK IN BLACK』以来15年ぶりにチャート1位を獲得しています。

 


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