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2020年9月25日 (金)

BRING ME THE HORIZON『SUICIDE SEASON』(2008)

2008年11月中旬にリリースされたBRING ME THE HORIZONの2ndアルバム。日本盤は翌2009年1月下旬に発売されました。

BRING ME THE HORIZONの名を幅広く知らしめる最初の結果を生み出した、記念すべき1枚。ジャケットのグロさから、知らない人にはデスメタルとかゴアグランドのバンドかと間違えられそうですが(デビュー作を知らなかった僕も、店頭でそう勘違いして手にしたひとりです)、1stアルバム『COUNT YOUR BLESSINGS』(2006年)で提示したデスコアサウンドをさらに一歩推し進めた、モダンなメタルコアサウンドを楽しむことができます。

プロデュースを手がけたのは、北欧メロディックデスメタルシーンで知られるフレドリック・ノルドストローム(ARCH ENEMYDIMMU BORGIRSOILWORKなど)。前作でのアンダーグラウンド感が良い意味で薄れ、鋭角で低音重視ながらも全体的に聴きやすい/聞き取りやすいバランス感でまとめられています。初めて聴いたときは冒頭2曲「The Comedown」「Chelsea Smile」のアグレッションに若干引きつつも、それでも不思議と聴きやすいその作風に違和感を覚えたものです(もちろん、良い意味での違和感なんですけどね)。

緩急の起伏が激しいアレンジ/バンドアンサンブルと、デジタルテイストを随所に散りばめた味付けは、前作での(良くも悪くも)アングラの帝王感から一線を画するものがあり、短期間でメジャー感を強めることに成功。今思えば、次々作『SEMPITERNAL』(2013年)の片鱗と言えなくもないですが、この時点ではあくまで「アグレッシヴなバンドサウンドとの対比」という意味での味付けだったはず。なので、デジタル感をバンドの軸足に起き始めた『SEMPITERNAL』とは直接的な関連性はそこまで考えなくてもいいのかなと。むしろそれよりは、楽曲のプログレッシヴ度が急激に増す次作『THERE IS A HELL BELIEVE ME I'VE SEEN IT. THERE IS A HEAVEN LET'S KEEP IT A SECRET.』(2010年)とのつながりを考えたほうが正しいのかもしれません。

1作目から順に追っていくと、5作目『THAT'S THE SPIRIT』(2015年)までは非常に真っ当で正しい進化の仕方をしているなという事実に、改めて気づかされるはず。とはいっても、前作『COUNT YOUR BLESSINGS』と本作との差は一番大きなものがあり、そういった意味では今作を真のスタート地点と捉えることもできるのかなと。この『SUICIDE SEASON』から『THAT'S THE SPIRIT』までの流れ/成長は非常にわかりやすいものがありますしね。

リリースから12年経った今の耳で聴くと、当時は激しすぎると若干の拒否反応を示した本作も不思議とキャッチーに思えてくる。慣れって恐ろしいですね(笑)。なお、本作中の「Football Season Is Over」にはメルボルンのハードコアバンドDEEZ NUTSからJJ・ピーターズ(Vo)が、「The Sadness Will Never End」ではイギリスのメタルコアバンドARCHITECTSからサム・カーター(Vo)がそれぞれゲスト参加。本作から10数年後、BMTHもARCHITECTSもイギリスと代表するメタル/ラウドバンドにまで成長するとは、この頃には想像もしていませんでしたね。

BMTH初心者が初期の作品に触れる際、本作から入っていくと現在とのあまりの違いに拒否反応を示すかもしれません。そういう意味では次作『THERE IS A HELL BELIEVE ME I'VE SEEN IT. THERE IS A HEAVEN LET'S KEEP IT A SECRET.』のほうが入りやすいのかな? 同作が問題なくいけたら、こちらにさかのぼってみるのがベストかもしれませんよ。

 


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