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2020年9月 7日 (月)

KING'S X『FAITH HOPE LOVE』(1990)

1990年10月下旬にリリースされたKING'S Xの3rdアルバム。日本盤は同年11月末に発売されました。

1988年に『OUT OF THE SILENT PLANET』でAtlantic Recordsからメジャーデビューを果たしたKING'S Xでしたが、日本デビューは次作『GRETCHEN GOES TO NEBRASKA』(1989年)から(『OUT OF THE SILENT PLANET』は1992年に日本盤化)。つまり、今作は日本2作目のアルバムにあたります。ちょうど前作で日本メディアでも取り上げられる機会がちょっと増えたこともあり、この『FAITH HOPE LOVE』が発売される頃には「ミュージシャンズ・ミュージシャン」だとか「70年代の本格派ロックを現代に蘇らせる期待のバンド」みたいな切り口でその名が広まり始めていた記憶があります(いわゆるヘアメタル流行に対するカウンターという意味で、こういう紹介をされていたのでしょうね)。

僕が初めて触れたKING'S Xの作品もこの『FAITH HOPE LOVE』でした。トリオ編成、プログレ的テクニカルさ、適度なハードロック感といった前情報からRUSHのようなサウンドを想像していましたが、半分は正解で半分は間違えだったのかなと聴いて実感しました。プログレハード感は確かに随所に散りばめられているものの、それよりも際立つのが後期ビートルズにも通ずるサイケポップ感。ストレートなようで随所にひねくれ感が散りばめられたハードロックサウンドに、美しいハーモニーがキラリと光るサイケデリア、そして一度聴いたら耳から離れないキャッチーなメロディ、本作の武器はこれだなと。

時にハード&ヘヴィ、時に甘美、時に浮遊感の強いサイケにと緩急をつけながら進む本作には、ダグ・ピニック(Vo, B)のほかにタイ・テイバー(G, Vo)、ジェリー・ガスキル(Dr, Vo)がリードボーカルを務める楽曲も多く含まれており、それらの要素が全13曲/約62分という長尺な内容を飽きさせないものにしています。曲によってはタイトルトラック「Faith Hope Love」のように9分半にもおよぶ大作も用意されていますが、不思議と飽きることなく楽しめるんですよね。むしろ、10代だったリリース時に聴いたときよりも、だいぶ歳をとった今のほうが腰を据えて楽しめる、そんな奥深さを持つ1枚だと断言できます。

あと、このバンドが非常に興味深いのはクリスチャンバンドだということ。当時、HR/HM系でクリスチャンバンドというと(良くも悪くも)STRYPERのイメージが強かったですが、KING'S Xはそのイメージを前面に打ち出していなかったことも偏見なく触れられた大きな要因だったのかな。まあ『FAITH HOPE LOVE』というタイトルも、今思えば「なるほどな」と納得なんですけどね。まあ、このへんは蛇足ですけどね(特に我々のような人種にとっては)。

初期ENUFF Z'NUFF『ENUFF Z'NUFF』(1989年)『STRENGTH』(1991年)EXTREMEの3rdアルバム『III SIDES TO EVERY STORY』(1992年)あたりを好むリスナーには、ぜひ一度触れてもらいたいバンドであり、そのとっかかりに最適な1枚かと思います。

 


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