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2020年9月16日 (水)

BAD MOON RISING『BLOOD』(1993)

1993年3月にリリースされたBAD MOON RISINGの2ndアルバム。日本で先行リリースされたのち、同年5月にイギリスやヨーロッパ諸国にてUnder One Flag経由で発売されています。

1991年にデビューアルバム『BAD MOON RISING』をリリースしたのちに、ここ日本で初のライブツアーを実施したカル・スワン(Vo)&ダグ・アルドリッチ(G)。ツアーではアルバムレコーディング同様、チャック・ライト(B)&ケン・メリー(Dr)のHOUSE OF LORDS組が参加しましたが、続く今作でもほとんどの楽曲でチャック&ケンがリズムセクションをレコーディング。制作後期に元HURRICANE ALICEのイアン・メイヨー(B)とジャッキー・レイモス(Dr)が正式加入し、初めてパーマネントの4人バンド・BAD MOON RISINGが完成します(アルバムブックレットにはイアン&ジャッキーの姿も)。

プロデュースは前作同様、マック(QUEENEXTREMEBLACK SABBATHなど)が担当(カル&ダグも共同プロデューサーとしてクレジット)。レコーディングエンジニアとしてマックのほか、ジョー・バレシ(AVENGED SEVENFOLDQUEENS OF THE STONE AGEWEEZERなど)の名前も見つけることができます。基本的には前作の延長線上のあるスタイルなのですが、1作目をブリティッシュロック寄りとするなら、今作はよりアメリカナイズされた作風と言えるかもしれません。

適度に湿り気のあるブルージーなハードロックという点においてはまったく変化はないのですが、サウンドの質感が若干モノトーン寄りでダークさが増している。また、メジャーキーのアップチューンやミドルテンポのアンセミックな楽曲が良いアクセントとなっていた前作と比べると、今作は全編ミドル〜スロー中心で統一感が強い、そのぶん単調さが目立つ結果となっています。前作でのLION経由のヘアメタル〜正統派ハードロック路線から、時流に乗ってグランジ寄りのダーク&ヘヴィさが際立つスタイルへとシフト。これが従来のリスナーやファンには不評を買ったようです。

しかし、楽曲の出来はそこまで悪いものとは思えず、リリースから30年近く経った今、久しぶりに聴くと「意外と良いじゃない?」と思えるのです。リリース当時はあんなに落胆したのに。

で、何度か聴き返しているうちに気づきました。これ、曲とカル・スワンの声(歌唱スタイル)がマッチしていないんじゃないか?と。良く言えば味わい深い、悪く言えば抑揚があまりないカルのボーカルスタイルが、土着的なヘヴィロック路線に適していないような気がしてならないのです。もうちょっと派手な歌い手が歌唱したら、このメロディラインをうまく歌いこなせたのでは……今となっては後の祭りですが。

あと、やはりダグのリフメイカーとしての力量不足も目立ちますよね。こればかりは本当に仕方ないとはいえ……だからこそ、彼のようなギタリストには次作『OPIUM FOR THE MASSES』(1995年)のようなスタイルが適していた気がするのですが、それはまた別の機会に。

“ビッグ・イン・ジャパン”の名を欲しいままにし、海外ではまったく無名だった彼ら。残念ながら各種ストリーミングサービスでは配信されていないことから、今では中古CDショップで彼らの音源を手に入れるしかなさそうです(比較的安価で入手可能なので、この機会にぜひ)。

 


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(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

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