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2020年9月23日 (水)

DEFTONES『KOI NO YOKAN』(2012)

2012年11月9日にリリースされたDEFTONESの7thアルバム。日本盤は同年11月14日に発売されています。

前作『DIAMOND EYES』(2010年)から2年半ぶりの新作は、引き続きベーシストにセルジオ・ヴェガ、プロデューサーにニック・ラスクリネクツ(ALICE IN CHAINSHALESTORMMASTODONなど)を迎えて制作。2008年11月にチ・チェン(B)が交通事故で意識不明の重体に陥ってから、2作目の「不完全な形」でのアルバム制作となりました。

アルバムタイトルに日本語の「恋の予感」をそのまま用いた本作は、玉置浩二率いる安全地帯が如くメランコリックなAORを思わせるような……作品にはまったくなっておらず(笑)、前作からの流れを良い意味で引き継いだ、ヘヴィさとソフトさをバランスよく織り交ぜたエモーショナルな1枚に仕上がっています。チ・チェンを交えて制作する予定だった『EROS』という作品が怒りに満ちたヘヴィな作品になる予定だったところを、『DIAMOND EYES』では“Optimistic(=楽観的)”な作風を意識したと語られていましたが、そういった意味ではこの『KOI NO YOKAN』も“Optimistic”な1枚と言えるでしょう。

ただ、ゴリゴリした側面は若干後退したような印象も受けます。「Leathers」や「Poltergeist」のように味つけてエフェクトを多用した楽曲も含まれているものの、それらはポストロック的な用法というよりもヘヴィロック/ラウドロックの延長線上で用いられており、特に後者では楽曲を引き立てる上で良いフックになっているように感じました。

かと思えば、オルタナティヴロック/UKロック的なギターリフ/フレーズを取り入れた「Entombed」、ゴシックロック的なダークさを醸し出す「Rosemary」、ニューウェイヴ的な側面も見受けられる「Goon Squad」や「What Happened To You?」のような変化球もしっかり用意されている。轟音で力強く推し進めるというよりも、メロウさや気だるさを強調するためにヘヴィな音像を要所要所に配置する、むしろヘヴィさはおまけのようにすら感じ取れる。そういった意味では、これまでの作品とはスタート地点が真逆にあるような、不思議な印象を与えてくれるアルバムかもしれません。

なんというか、完全にひとつ完成してしまった……そんな1枚なわけですが、実はリリース当時は本作に対してあまりポジティブなイメージがありませんでした。なんというか……「コレジャナイ」感を抱いてしまったんです。「ああ、そっちに舵切ったか」と。次作『GORE』(2016年)を経た今聴くと、非常に前向きに受け取れるし、むしろ好みの音なんですけど。単純に2012年の自分の心境とフィットしなかっただけなんでしょうかね。謎です。

 


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