KILLER BE KILLED『KILLER BE KILLED』(2014)
2014年5月9日にリリースされたKILLER BE KILLEDの1stアルバム。日本盤は同年5月14日に発売されています。
本作制作時のメンバーはマックス・カヴァレラ(Vo, G/SOULFLY、CAVALERA CONSPIRACY、NAILBOMB)、グレッグ・プチアート(Vo, G/THE DILLINGER ESCAPE PLANE)、トロイ・サンダース(Vo, B/MASTODON)、デイヴ・エリッチ(Dr/ex. THE MARS VOLTA)の4人。もともとは2011年にマックスとグレッグが行なったスタジオセッションが軸になっており、ここで制作されたアルバム1枚分の楽曲をトロイ、デイヴを招いてレコーディングすることになるわけです。
いわゆるエクストリームメタル界のスーパースターが勢揃いした“スーパーバンド”なわけですが、その楽曲/サウンドも良い意味で各メンバーが在籍するバンドの持ち味が散りばめられており、かつそれらが乖離することなくバランスよく融合している。しかも、その音を絶妙なさじ加減でまとめ上げているのが、LAMB OF GODやGOJIRA、HATEBREEDなどでおなじみのジョシュ・ウィルバーというのも、なるほどと頷けるものがあります。
基本的にメインで歌っているのがグレッグのようで、そこにドスの効いたマックスのデス声が織り交ぜられ、さらにトロイも“らしい”歌声を聴かせてくれる。各シンガーが歌い出すと途端にそれぞれが所属するバンドの顔が浮かびますが、それも特に嫌味になっていないし、オリジナリティが欠けているとも思わない。だって、オリジネーター自身がやっているわけだから。とにかく、これだけクセも強く個性も異なるフロントが3人もいて、それらがぶつかり合わないのは奇跡に近いんじゃないかな。個々が自分の武器と見せ方を知っているからこそ、そこで衝突することなく隙間隙間を狙って色を出してくる。ボーカルパートだけ抜き出しても、いろいろと聴きどころの多い1枚だと思います。
また、サウンド/楽曲自体もスラッシュメタルからハードコア、90年代半ば以降のグルーヴメタル/オルタナメタルまで、90年代前半〜2000年代後半のエクストリームメタルの歴史が凝縮された代物で、中でもメロディにもちゃんとしたこだわりが伝わるのが好印象。どうしてもマックスだけだとデス声で突き通しそうですが、ちゃんと歌えるグレッグやトロイのおかげで独特な個性を作り上げられている。で、このメロディが本当にクセになるものばかりで、個人的には「Snakes Of Jehovah」や「Curb Crusher」あたりが本当にお気に入り。懐かしさと新しさがブレンドされたこのスタイルこそ、2010年代前半を象徴するものだと思います。
オープニングを飾る「Wings Of Feather And Wax」の殺傷力や「Save The Robots」の壮大さ、「Fire To Your Flag」での狂気、「Forbidden Fire」での浮遊感とヘヴィさの融合など、最初から最後まですべてがピークでクライマックスで聴きどころという奇跡の1枚。ヘヴィな音楽が好きなら、絶対に聴いておくべき傑作です。
これだけのメンツだし、この1枚で終わるんだろうな……と思っていたら、ドラマーをCONVERGEのベン・コラーに交代し、2020年11月20日に2ndアルバム『RELUCTANT HERO』をリリース! すでに公開中の新曲も良い感じですし、今から発売が楽しみでなりません。
▼KILLER BE KILLED『KILLER BE KILLED』
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