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2020年10月27日 (火)

ARMORED SAINT『PUNCHING THE SKY』(2020)

2020年10月23日にリリースされたARMORED SAINTの8thアルバム。

オリジナルアルバムとしては前作『WIN HANDS DOWN』(2015年)からまる5年ぶり、その後ライブアルバム『CARPE NOCTUM』(2017年)を挟んでいるので実質3年ぶりのCDリリースとなります。とはいえ、日本のファン的には2016年の『LOUD PARK』で初来日が実現しているので、過去を振り返っても相当意味のある5年間だったと思います。

1999年にジョン・ブッシュ(Vo)、ジョーイ・ヴェラ(B)、ゴンゾ・サンドヴァル(Dr)、フィル・サンドヴァル(G)、ジェフ・ダンカン(G)という解散時のメンバーで再結成をして以来、地道な活動を続ける彼ら。2010年の6thアルバム『LA RAZA』以降は5年に1枚のペースで新作を届けてくれていますが、昔のように音楽中心で生活できるような環境/状況ではないことを考えると、彼らの年代/クラスのバンドはこれくらいがちょうどいいのかなと改めて思いました。

とはいえ、結成から約40年(解散期間の約10年を除いても約30年)でオリジナルアルバム8枚は少ないですけどね(笑)。

さて、5年ぶりの新作について。内容に関しては文句なし、どこからどう切り取ってもARMORED SAINT以外の何者でもないという王道パワーメタルです。スラッシュメタル以前のスピードナンバーからヘヴィなミドルチューン、彼ららしいドラマチックなアレンジを多用した楽曲、メロディアスなパワーバラードまで、従来のファンが喜びそうな要素しかない、言ってしまえば「過去の焼き直し」なのかもしれませんが、だからといって「これ、あの曲だよね?」という感じでもない。どちらかというと「ああ、この曲は1stアルバム『MARCH OF THE SAINT』(1984年)にありそう」とか「これは『SYMBOL OF SALVATION』(1991年)に入っていそう」とか、雰囲気やテイストが過去の作品を踏襲しているというだけで、これはセルフパロディとはまた違うもの、いわば「伝家の宝刀」というものではないでしょうか。

にしても、ジョン・ブッシュが歌うと不思議とANTHRAXっぽくも聴こえてくるから不思議なものです(笑)。ARMORED SAINTファンからしたら、きっと90年代のANTHRAXこそが「ARMORED SAINTをBMP速くしただけじゃん!」と思うのかもしれませんが。とにかく、本作はジョン・ブッシュという稀代の名ボーカリストの魅力を存分に味わえる1枚でもあると思います。

もちろん、そのためには楽曲の完成度が高くなければいけないという大前提も生じるわけで、そこも軽々とクリアしている本作はさすがの一言。80年代のように制作に終われる時代とは異なり、また音楽に人生のすべてを賭けるというフェーズも超えた今だからこそ、日常の合間にじっくり腰を据えて音楽と向き合うことができるこのタイミングにこうした傑作を制作することができる、2020年のARMORED SAINTならではの集大成的楽曲集だと断言させてください。特にビギナーは本作を起点に、彼らの過去作をさかのぼって聴いていくと、その魅力にどっぷりハマることができるはずですから。

 


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