QUEEN + ADAM LAMBERT『LIVE AROUND THE WORLD』(2020)
2020年10月2日にリリースされたQUEEN + ADAM LAMBERTのライブアルバム。
本作は2014年から2020年にかけて、200公演以上にわたり行われた同組み合わせのワールドツアーの中から、選りすぐりのテイクをひとつのライブのような形で構成したもの。もっとも古い音源が2014年夏の『SUMMER SONIC 2014』で、最新が今年頭のオーストラリア公演から。サマソニ幕張公演からは「Now I'm Here」「Another One Bites The Dust」「I Was Born To Love You」という、(特に「I Was Born To Love You」に関しては)非常に日本らしいセレクトがなされています。
僕は2014年のサマソニはスケジュールの都合でどうしても足を運ぶことができなくて涙を飲みましたが、2016年の日本武道館公演には参加することができました。そのときの記憶と本ライブ作品を重ね合わせながら楽しんでおりますが、はやりアダム・ランバートとQUEEN楽曲との相性は抜群。ここに関してはまったく文句はありません。
そもそも、フロントマンがまったく異なるわけですが、同じもの(=QUEENの完全再現)を求めてライブに足を運んでいたわけではありませんし。ブライアン・メイとロジャー・テイラーが選んだ「QUEENという音楽を最適な形で、独自の形で表現してくれるエンターテイナー」が、QUEENを表現しつつも新しいものを確立させていく、それがこのQUEEN + ADAM LAMBERTというプロジェクトなんだと解釈しています。
もちろん最初は「懐メロ気分やQUEEN復活」をイメージして痛い目を見たし、多少の違和感は拭えませんでしたが、そもそもジョージ・マイケルが歌おうがQUEENフォロワーのほかのシンガーが歌おうが、それはもう完全にQUEENとは別モノなわけで、フレディ・マーキュリーに寄せにいけば事故を起こすし、ポール・ロジャースのように完全なる別個性をぶち込めばそれはそれで消化不良を起こす。その絶妙な距離感をしっかり取ることができて、なおかつQUEENとしてもフロントマンとしても個々のオリジナリティをしっかり見せることができる。そういった稀有な才能に長けた超人でもなければ、この偉業を務めることは難しいと思うんです。
それがアダム・ランバートという人間には8年以上にわたり完遂できている。その結果がこのアルバム(とライブ映像)には最良の形で収められています。ロックだなんだとか、そういったイメージの話、この際どうでも良いです。これが楽しめるか否か、それだけだと思います。
そのシンプルな観点でいえば、本作は“Fun”以外の何モノでもないし、究極のエンタテインメント作品に仕上がっていると断言できます。いい曲といい演奏といい歌、そして映像では最高のパフォーマンスとエンタテインメント性。これがダメならフレディが残した過去の音源だけを死ぬまで聴き続ければいいわけです。
それでも、彼らはショウを続ける。その選択肢を僕は支持しますし、この素敵なライブ作品を全面的に肯定したいと思います。
▼QUEEN + ADAM LAMBERT『LIVE AROUND THE WORLD』
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