NAPALM DEATH『THROES OF JOY IN THE JAWS OF DEFEATISM』(2020)
2020年9月18日にリリースされたNAPALM DEATHの16thアルバム。
意外にもオリジナルアルバムの発表は前作『APEX PREDATOR - EASY MEAT』(2015年)以来、5年8ヶ月ぶりとのこと。バンドとしてはその間に2016年(9月の単独と10月の『LOUD PARK』)、2019年3月と計3回も来日していますし、2018年には2000年代以降のアルバム未収録をまとめたコンピレーションアルバム『CODED SMEARS AND MORE UNCOMMON SLURS』もリリースしているので、まさかここまで間隔が空いているとは思いもしませんでした。間違いなくNAPALM DEATH史上最長のリリース間隔になってしまいました。
ですが、そんな長いブランクをモノともせず、アルバム自体は最高で最強、ブルータルで一球入魂な内容なので申し分なし。むしろ、来年で結成40周年を迎えるバンドの最新作とは思えないほどにアグレッシヴな1枚に仕上がっており、そんじょそこらのエクストリームメタル/ハードコアバンドには太刀打ちできないような孤高の存在であることを改めて確認させられます。
ご存知のとおり、3rdアルバム『HARMONY CRRUPTION』(1990年)からバンドに加わったミッチ・ハリス(G)は2014年からツアーやライブには参加しておりません。このアルバムでも1曲(「A Bellyful Of Salt And Spleen」)のみソングライティングにクレジットされており、レコーディングにも基本的には参加しているようですが、ツアーに関しては今後もジョン・クックがメンバーとして携わるようです。
とはいえ、バーニーことマーク・グリーンウェイ(Vo)が歌い叫び、シェーン・エンバリー(B)が曲を書きアグレッシヴにベースを弾き、ダニー・ヘレッラ(Dr)が衰え知らずのブラストビートを刻み続ければ、今のNAPALM DEATHは成立する。個人的にはそう確信しています。
今作でも引き続きラス・ラッセル(AT THE GATES、DIMMU BORGIR、THE WiLHEARTSなど)がプロデュースを手がけておりますが、ソングライティング面にも一部携わっていることから、もはや5人目、6人目のメンバーといったところなのでしょう。ここ20年ほど制作に加わっていることを考えると、バンドとしてもあえて新しいことをしようとは考えず(とはいえ本作には「Amoral」のような新機軸も含まれていますが)、このスタイルを維持しながら深化を追求するために必要な人員とみなしていると。
だから、このバンドの場合はどの曲がどうでとか、流れがこうでとか小難しい解説の前に、まずは爆音で音を浴びることが必要なのかな。深く考えずに、まずは最新の音を可能な限り大きな音で楽しむ。そのあとに、深く練り込まれた歌詞を(できれば対訳込みで)理解する。そして、来日したら会場に足を運び全身で堪能する。それがこのバンドに対する礼儀かなと思います。
本作は日本国内ではデジタルリリースおよびストリーミング配信が行われておりません(2022年2月現在)。ですが、日本盤CDは海外デラックス盤や配信バージョンよりも曲数が多い、世界最多の16曲が楽しめます。普段、ボーナストラックには否定的な筆者ですが、このバンドの場合は曲数を多く楽しめるのはアリだと思っています。オリジナル曲2曲(「Air’s Turned Foul In Here」「Feral Carve-Up」、SONIC YOUTHのカバー「White Cross」とUDMENTARY PENIのカバー「Blissful Myth」の計4曲、どれもオマケ以上の内容ですので、ぜひ日本盤での購入をオススメします。
アルバムごとに、常に「今がベスト、最新作が最高傑作」と信じて疑いませんが、今回もそれを更新してくれたと確信しています。『SCUM』(1987年)を初めて聴いてからすでに30年以上経ちましたが、いまだにこんなにワクワクさせてくれるハードコア/エクストリームメタルバンド、そうはいませんよ。
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