FEVER 333『WRONG GENERATION』(2020)
2020年10月23日にデジタルリリースされFEVER 333の最新EP。
まとまった音源集としては、2019年1月発売の1stフルアルバム『STRENGTH IN NUMB333RS』以来ほぼ2年ぶりということになるのでしょうか。今回は最初のEP『MADE AN AMERICA』(2018年)以来のEPですが、今のところストリーミングを含むデジタル配信のみで聴くことができる作品となります。→(2020年12月追記:日本のみ、2021年1月27日にボーナストラックを加えた形でCD化が実現することになりました!)
今年1月末の来日公演から“まだ”9ヶ月しか経っていないわけですが、感覚的には数年前のことのようにも思えるから不思議です。それだけ、この9ヶ月で世の中がガラッと変わってしまったことを実感させられます。
さて、内容に関しては僕がここでああだこうだ書くまでもなく、相変わらずアグレッシヴで最高な1枚に仕上がっていますのでご安心を。パンクやハードコア、ヒップホップやラップメタルなどを飲み込んだスタイルはそのまま維持されているものの、楽曲の強度はさらに強まっている印象。オープニングの「Bite Back」から叫び(怒り)まくってます。
それもそのはず、本作の制作背景には今年5月にアメリカ・ミネソタ州ミネアポリスで起こったジョージ・フロイド氏への痛ましい傷害致死事件があるからです。メンバーのジェイソン・エイロン・バトラー(Vo)はLAにてストリート上での抗議運動に13日間にわたり参加。その翌日(14日目)から制作にとりかかったのが、皆さんが耳にしているであろうこの作品集なのです。
制作された楽曲群はジョージ・フロイドの事件から直接的に影響を受けた楽曲もあれば、過去のロドニー・キング暴動(1992年)や、さらに白人至上主義などの根本的な問題にまで立ち返ったものまで、FEVER 333のみならずレベル・ミュージックを信条とするアーティストにとって非常に大きな意味を持つ作品集に仕上がりました。レーベルサイトにはジェイソンによる全曲解説も掲載されているので、ぜひ一度こちらの目を通していただきたいなと。フィジカル(特に国内盤)リリースされないこともあり、英語に疎いリスナーは絶対にこの背景を踏まえて本作と向き合ってほしいと思っています。
にしても、本当にカッコいいったらありゃしない。「For The Record」みたいにストレートなパンクロックを体現するもあれば、「Last Time」のようなスローナンバーも用意されている。全体的にPUBLIC ENEMYやRAGE AGAINST THE MACHINE、あるいはそれ以前から活躍するポリティカルなパンクバンドにも通ずる要素が満載だし、ある意味ではこの20年間のレベル・ミュージックの総決算のようでもある。全8曲/約18分があっという間に過ぎ去っていく、嵐のような音源集。しばらくはこれ1枚を延々リピートしそうな予感です。
▼FEVER 333『WRONG GENERATION』
(amazon:国内盤CD / MP3)
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