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2020年10月23日 (金)

ARCHITECTS『ALL OUR GODS HAVE ABANDONED US』(2016)

2016年5月27日にリリースされたARCHITECTSの7thアルバム。日本盤未発売。

前作『LOST FOREVER // LOST TOGETHER』(2014年)からEpitaph Recordsへと移籍し、過去最高の全英16位という好記録を残し、アメリカでも初のTOP200入り(最高125位)を果たしたARCHITECTS。そんな大成功を収めた同作から2年2ヶ月というスパンで届けられた今作は、引き続きヘンリック・ウッド&フレドリック・ノルドストロームのコンビがプロでプロデュースを手がけた、前作の延長線上にある1枚に仕上がっています。

ジェントにも通ずる複雑なリフワークやリズムの刻み方は相変わらずですし、適度にフィーチャーされたデジタルテイストも味付けとして良い方向に作用している。さらに、スクリームとメロウなボーカルパートのバランスも絶妙な配分で、オープニングの「Nihilist」からフルスロットルで飛ばしまくっています。かと思えば、「Downfall」のようにエモーショナルさが際立つ楽曲も存在し、カオティックなメタルコアを好むリスナーもメロディアスなテイストを好むリスナーも満足させるだけの完成を誇る内容だと断言できるでしょう。

とにかく、リズムの取り方、刻み方が気持ちよく、ザクザクと細かく切り刻む(ドラムがツーバス踏みまくる)ビートもあれば、壮大なスケール感を持つビッグなビートも含まれている。その組み合わせ方/構築方法のオリジナリティが今作でほぼ確立され、ARCHITECTSというバンドがほかのメタルコアバンドの追随を許さない唯一無二の存在へと成長したことが、この1枚からも伺えます。

ARCHITECTSはアルバムごとに大きなテーマが用意されており、そのテーマをなぞった歌詞が各曲に綴られています。今作の大きなテーマは「世界的な怒りと幻滅」であり、このアルバムこそがARCHITECTSから現代社会に向けたステートメントであると。攻撃的でヘヴィなサウンド&アンサンブル、それと同じくらいの悲しみや失望が伝わるメロディはARCHITECTS史上もっともダークなものと言えるでしょう。しかし、その質感が妙に気持ちよく響くのは、彼らが我々と同じく痛みや悲しみを抱えているから。それがダイレクトに刺さるんだけど、痛みが快楽へと昇華されていく。この感覚、ハマったら抜け出せないものがあり、気づけばARCHITECTSというバンドの虜になっているはずです(かくいう僕も前作で彼らにハマり、現在に至ります)。

本作リリースから3ヶ月後の8月20日、3年以上にわたりガンと戦ってきたトム・サール(G)が逝去。後付けですが、この怒りや痛み、悲しみはトムのものであり、彼を支えるバンドメンバーのものでもあったんだなと……そして、その痛みと苦しみ、悲しみは次作『HOLY HELL』(2018年)でクライマックスを迎えることになります。

 


▼ARCHITECTS『ALL OUR GODS HAVE ABANDONED US』
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