AC/DC『IF YOU WANT BLOOD YOU'VE GOT IT』(1978)
1978年10月にリリースされたAC/DC初のライブアルバム。
『ギター殺人事件 AC/DC流血ライヴ』の邦題で長きにわたり親しまれている本作は、当時の最新アルバム『POWERAGE』(1978年)リリース直前の1978年4月30日にグラスゴーのApollo Theatreにてライブレコーディングされたもの。今作のあとに出世作『HIGHWAY TO HELL』(1979年)を発表しているのもあり、本作はそれ以前のAC/DCにおけるベストヒット的内容と言えるでしょう。
ボックスセット同梱作品を除けば、本作がボン・スコット(Vo)在籍時唯一のライブアルバムであり、次のライブ作品『LIVE』(1992年)までは本作こそがAC/DC最強のライブアルバムとして親しまれてきました。まあ、そもそも『LIVE』はブライアン・ジョンソン(Vo)が歌っているので、同じ曲が含まれているとはいえ別モノと切り分けて考えるのが妥当かと思います。
ちなみにこの4月30日にグラスゴー公演では全12曲が披露されており、そのうち10曲をアルバムに収録(カットされたのは「Dog Eat Dog」と「Filling Thing」)。曲順は一部異なるものの(実際のライブでは2曲目だった「Problem Child」がアルバムでは5曲目など)、アルバムの構成としては非常に流れもよく、ロックンロールバンドとしてのAC/DCをベストな形で表現しているように映ります。
そう、この時期のAC/DCはハードロックというよりはハードブギー、もっと言えばシンプルにロックンロールバンドなんですよ。オープニングを飾る「Riff Raff」とかハードロック調ではあるものの、コードなんてシンプルなブルース進行ですし(LED ZEPPELINの「Rock And Roll」に通ずるものがありますよね)、「Bad Boy Boogie」から「The Jack」の流れなんてまさに王道ロックンロールですから。ハードロック色が強まったのって、結局ブライアン加入後の『BACK IN BLACK』(1980年)以降なんじゃないかな。だから、先の『LIVE』と切り分けて考えるのは当然なのです。
全10曲で約53分(アナログ1枚もの)は当時で考えると長尺ですし、アナログ盤で聴くラストの「Rocker」の音の悪さといったら、それはそれは(笑)。ですが、「Whole Lotta Rosie」以降の後半の熱量は特筆すべきものがあります。実際のライブとは異なる流れながらも、そのあとに当時の最新曲「Rock 'N' Roll Damnation」と初期の代表曲「High Voltage」を挟んで「Let There Be Rock」「Rocker」へと続く構成は最高以外の何ものでもありません。これ以上はないでしょ?ってくらい、究極の流れなのです。高校生のときから何百回、何千回とこの流れに興奮したことか。
アンガス・ヤング(G)のギタープレイの凄みやボン・スコットのフロントマンとしてのカリスマ性も存分に伝わる本作、初期AC/DCの入門編としてオススメの1枚です。
▼AC/DC『IF YOU WANT BLOOD YOU'VE GOT IT』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3)
« AC/DC『WHO MADE WHO』(1986) | トップページ | SYSTEM OF A DOWN『PROTECT THE LAND / GENOCIDAL HUMANOIDZ』(2020) »
「AC/DC」カテゴリの記事
- SLASH『ORGY OF THE DAMNED』(2024)(2024.05.30)
- AC/DC『DIRTY DEEDS DONE DIRT CHEAP』(1976)(2022.11.10)
- AC/DC『POWER UP』(2020)(2020.11.13)
- AC/DC『LIVE』(1992)(2020.11.11)
- AC/DC『IF YOU WANT BLOOD YOU'VE GOT IT』(1978)(2020.11.06)
「1978年の作品」カテゴリの記事
- JUDAS PRIEST『STAINED CLASS』(1978)(2023.03.14)
- JAPAN『ADOLESCENT SEX』(1978)(2023.01.01)
- KISSのベストアルバムを総括する(2022年版)(2022.12.04)
- KISS『DOUBLE PLATINUM』(1978)(2022.12.03)
- QUIET RIOT『QUIET RIOT II』(1978)(2022.10.31)