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2020年12月10日 (木)

DEAFHEAVEN『10 YEARS GONE』(2020)

2020年12月4日にリリースされたDEAFHEAVENのライブアルバム。日本盤は同年12月9日に発売。

今年結成10周年を迎えたDEAFHEAVENは当初、2020〜21年をアニバーサリーイヤーと称して、これまでに発表した全作品から満遍なく演奏するツアーを行い、それをまとめたライブアルバムを制作する予定でした。しかし、ご存知のとおりコロナ禍によりツアー自体が無期延期に。これを受けて急遽スタジオライブ録音を行い、作品としてまとめ上げたのが本作となります。

72分という彼ららしい長尺な内容となった本作の収録曲は、以下のような内訳となっています。

デモ音源集『(UNTITLED)』(2010年):M-2
1stアルバム『ROAD TO JUDAH』(2011年):M-4
2ndアルバム『SUNBATHER』(2013年):M-3、7、8
EP『FROM THE KETTLE ONTO THE COIL』(2014年):M-1
3rdアルバム『NEW BERMUDA』(2015年):M-6
4thアルバム『ORDINARY CORRUPT HUMAN LOVE』(2018年):M-5

名盤『SUNBATHER』からがもっとも多く3曲採用されておりますが、EP『FROM THE KETTLE ONTO THE COIL』の表題曲(アルバム『NEW BERMUDA』日本盤ボーナストラック)や最初期のデモ音源からもセレクトされるなど、曲数こそ少ないもののバンドのキャリアを総括するにふさわしいセレクトと言えるのではないでしょうか。

スタジオライブテイクということで観客の歓声こそ含まれていませんが、曲間にメンバーのちょっとした掛け声や各楽器から発生するノイズなども含まれており、そのへんがこのバンドならではの緊張感あふれる演奏スタイルにぴったりという気がするのは、僕だけでしょうか。また、そういった生々しさと全キャリアからピックアップされた楽曲群が同じ条件下で表現されていることなどから、本作は一発録りによる再録ベストアルバムという受け取り方もできると思うのです。その表現方法がまたこのバンドに最適であり、かつアルバムで鳴らされる音像含めてパーフェクトだと感じられるのですが、いかがでしょう?

本作の軸になっているのは『SUNBATHER』という傑作であることは間違い事実。実際、14分にもおよぶ3曲目の「Vertigo」でそれまでの空気から一変しますし、「Glint」「Baby Blue」と直近2作の楽曲を経て、最後に「The Pecan Tree」「Dream House」と『SUNBATHER』からの2連発で終わる構成もその表れではないかと思います。つまり、本作は『SUNBATHER』で確立させたブラックゲイズ路線のひとつの到達点/集大成と捉えることもできるはずです。

『SUNBATHER』以降、作品を重ねるごとに少しずつスタイルを変化させ始めてきたDEAFHEAVEN。ここをひとつの区切りとして、次の10年間でどんな進化を見せてくれるのか。それまではこのアルバムをじっくり聴いて、彼らが2010年代に残した功績を味わい尽くしたいと思います。

 


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