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2021年1月26日 (火)

ECHO & THE BUNNYMEN『ECHO & THE BUNNYMEN』(1987)

1987年7月にリリースされたECHO & THE BUNNYMENの5thアルバム。

実は80年代のBUNNYMENって、リアルタイムではそこまでしっかりと通っていなくて。ちゃんと聴くきっかけになったのが1985年のシングル「Bring On The Dancing Horses」で、初めてちゃんと聴いたアルバムがその年に発売されたベストアルバム『SONGS TO LEARN & SING』。完全なる後追いで「The Cutter」や「The Killing Moon」などといった代表曲と出会うわけです。

そんな自分が初めてリアルタイムで対峙することになるオリジナルアルバムが、このセルフタイトルアルバムでした。当時の状況としては、ピート・デ・フレイタス(Dr)が脱退→再加入というバンドとして不安定だった時期で、本作にもそういったバンドの“迷い”が少なからず表出してしまっています。が、僕は最初に触れたオリジナルアルバムってこともあってか、この不安定さが妙に心地よかったりするんですよね。

当時はシングルカットされた「The Game」「Lips Like Sugar」「Bedbugs And Ballyhoo」のような楽曲に惹かれたのですが、大人になってから聴くと「All In Your Mind」や「Bombers Bay」「Lost And Found」のようなニューウェイヴ影響下のロックナンバーも味わい深くてツボ。派手さこそ皆無ですが、この適度な暗さと哀愁味がたまらなく心地よい。「New Direction」とか当時シングルカットしていても不思議じゃない佳曲だと思うんですが、いかがでしょう?

かと思えば、ポップ度の高い「Over You」や「Blue Blue Ocean」があったりして、「あれ、いいじゃん!」と再認識させられる。終盤には「Satellite」みたいなワイルドさがにじみ出たロックチューンがあったり、90年代の再結成時にも通ずる穏やかで美しいミディアムナンバー「All My Life」があったりと、ここからバンドとして新しい歴史が始まる予感も伝わってきます。

結果的に、本作を最後にフロントマンのイアン・マカロック(Vo, G)が脱退してしまったり、1989年にはピートが交通事故でこの世を去ったりと、オリジナルメンバーでのラスト作となってしまいましたが、ベストアルバムでひと区切りをつけて、バンドとしてはこのアルバムを新たな基準として次のステップへと進もうとしたのでは……ただ、イアンが「ソロになるからバンド抜けるね」と言い出してしまったのを機に、本格的にバンドは解体してしまう。新たなシンガーを迎えて『REVERBERATION』(1990年)というアルバムを作っているものの、それは真の意味での“次の次”ではないしね。聴いてみたかったな、あの4人での“次の次”を。

ということで、視点を変えれば本作も非常によくできたロックアルバムであることがおわかりいただけるかと。偏見なしで触れてほしい1枚です。

なお、本作は2003年にリマスタリング&ボーナストラック追加で再発。アルバム収録曲の初期テイクやTHE DOORS「Soul Kitchen」のカバーなど7曲を楽しむことができます。実は、同時期に映画『ロストボーイ』のサウンドトラックに、同じくTHE DOORSのカバー「People Are Strange」を提供しているのですが、すごく好きなテイクなんですよね。言っちゃえば、このアルバムのテイストの延長線上にあるというか……だから、こっちの再発盤にも入れてほしかったんだけどな。残念(同曲は後発のコンピ盤などで聴くことができます)。

 


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