IAN HUTER『IAN HUNTER』(1975)
1975年4月にリリースされたイアン・ハンターの初ソロアルバム。
1974年末にMOTT THE HOOPLEを脱退したイアンは、同時にバンドを離れたミック・ロンソン(G)とともにソロ活動を開始。MOTT在籍時はスタジオ作品に参加することのなかったロンソンでしたが、ここからハンター/ロンソンのタッグが長きにわたり続いていくことになります。
プロデュースはハンター/ロンソンが担当し、レコーディングにはのちにFOREIGNERに加わるデニス・エリオット(Dr)、ミックの古い友人ジェフ・アップルビー(B)などが参加。イアンはボーカルやピアノのみならず、ギターも担当し、ミックもリードギターのほかオルガンやメロトロン、ベースなども弾いているようです。
ソングライティング面では1曲(「Boy」)のみハンター/ロンソンの共作ですが、それ以外はすべてイアン単独で書かれたもの。MOTT THE HOOPLEっぽさもあれば、ミックのソロやグラムロック期のデヴィッド・ボウイっぽさもある楽曲/サウンドは、グラムロックというよりは無駄を削ぎ落としたシンプルなロックという印象が強いものかもしれません。オープニングを飾る「Once Bitten, Twice Shy」なんてグラムを通り越した王道ロックンロールの風格が漂っていますしね。続く「Who Do You Love」も、どこかMOTTっぽさはあるものの、やっぱりもっとソリッドなロックンロールという印象かな。
かと思えば、ミックの本領発揮と言いたくなる9分近い大作「Boy」はグラム前夜のボウイを彷彿とさせるし、続く完全アコースティックナンバー「3,000 Miles From Here」はそのボウイも憧れたボブ・ディランっぽさすら感じさせる。そして、生き生きとしたミックのギターを堪能できるハードチューン「The Truth, The Whole Truth, Nuthin' But The Truth」……結局、どれも2人が過去に在籍したバンドの色を漂わせるも、実はオリジナリティの強いものばかりという事実を再認識させられます。
イアン・ハンターのボーカルもバンド時代以上に“太さ”を感じさせるし、ミック・ロンソンのギターに関しては……この人は自分が中心になるよりも、カリスマ的フロントマンの隣に立ってこそ本領を発揮するんだってことに気づかせてくれる。イアンの1stソロアルバムではあるものの、実は本作ってハンター/ロンソンというデュオによる鮮烈なデビューアルバムと呼ぶほうが正しいんじゃないんでしょうか。
なお、本作は本国イギリスで21位、アメリカでも最高50位を記録。シングルカットされた「Once Bitten, Twice Shy」は全英14位まで上昇しますが、実はこの曲ってGREAT WHITEが1989年にカバーしたバージョンのほうが原曲よりヒットしているんですよね(GREAT WHITEバージョンは全米5位という、キャリア最大のヒットを記録)。カバーからこの曲を知ったというリスナーも、実は多いかもしれませんね。
ボウイが好き、MOTTが好きってリスナーなら確実に気に入るであろう本作。そんなライトな気持ちで触れてみたら、僕のようにその深みにどっぷりハマってしまった……きっと本作の魅力に気づいてもらえるはずです。
▼IAN HUTER『IAN HUNTER』
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