DURAN DURAN『DURAN DURAN』(1981)
1981年6月にリリースされたDURAN DURANのデビューアルバム。
アルバムデビューに先駆けて、シングル「Planet Earth」(全英12位)、「Careless Memories」(同37位)のスマッシュヒットも大きく後押しし、同作は1stアルバムにも関わらず全英3位という好記録を樹立。さらに、アルバム発売後にリカットされたシングル「Girls On Film」も全英5位まで上昇し、DURAN DURANは一躍時の人となるのです。
この成功の裏側には、当時海外を中心に普及し始めたミュージックビデオ、およびそれらをオンエアする専門チャンネルMTVが果たした役割が非常に大きかったことは外せません。比較的ルックスの良いメンバーが化粧をしたそのビジュアル効果はかなり大きなものがあり、本国のみならずここ日本でも洋楽専門誌のグラビアを飾るアイドル的人気を確立。そんなルックスの良いメンバーが動く姿を存分に楽しめるMV、そりゃファンならたまりませんよね。
かつ、そのMVでの実験的かつ挑戦的な姿勢も彼らの成功に一役買います。「Planet Earth」や「Careless Memories」では奇抜さは見受けられませんが、あとから制作された「Girls On Film」のMV……これがDURAN DURANの知名度を一気に高める結果になるわけです。元10CCのゴドレイ&クレームの映像チームが手がけたMVは、バンドが演奏する前で力士相手に女性ファイターが試合をしたり、女性同士のキャットファイトなどが繰り広げられるというもので、当時としては破格の6分半にも及ぶ内容でした。ところが、当初MTVなどではその過激な内容から放送禁止に(YouTubeに公開されているのは3分半尺の、過激な描写をカットした通常バージョン。この6分半のノーカット版は“Night Version”として親しまれています)。この噂が広まったことで、同MVが収められたMV集がヒットしたという話まであります。
こういうったトピックが噂を呼び、さらに楽曲自体にも注目が集まった。実際、ニューウェイヴ通過後のファンクポップ/ロックは非常に親しみやすいもので、クラブ受けやラジオ受けも良い。癖の強くないサイモン・ル・ボン(Vo)のボーカルと、ニック・ローズ(Key)による煌びやかなシンセサウンドも耳馴染みが良いので、幅広い層……とりわけ若年層にも浸透しやすかったのではないでしょうか。当時中学生だった自分も、本作を含む初期3作は狂ったようにリピートしまくりましたから。
80年代初頭のティーンエイジャーにとって、ビジュアル/楽曲面で洋楽の入り口の役割を果たした重要な存在。今聴くと時代を感じさせるニューウェイヴ感と、わかりやすそうで実は意外と捻くれたことにも手を出している楽曲群のクオリティは、実はそこまで洋楽ビギナーに優しいわけではなかったことにも気づかされます。偏見抜きに、改めて真摯に受け止めてほしい「新時代の始まりを告げる」1枚です。
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