RED HOT CHILI PEPPERS『BLOOD SUGAR SEX MAGIK』(1991)
1991年9月にリリースされたRED HOT CHILI PEPPERSの5thアルバム。
前作『MOTHER'S MILK』(1989年)で初の全米トップ100入り(最高52位)を果たしたレッチリ。「次が勝負!」とばかりに、それまで所属したEMI RecordsからWarner Bros. Recordsへと移籍し、プロデューサーも“時の人”リック・ルービン(SLAYER、THE BLACK CROWES、BEASTIE BOYSなど)を起用。ミキシングエンジニアにはTHE BLACK CROWES『SHAKER YOUR MONEY MAKER』(1990年)でリックとともに作業したブレンダン・オブライエン(AC/DC、PEARL JAM、RAGE AGAINST THE MACHINEなど)を迎え、最強の布陣にて最強のロックアルバムを完成させます。
オープニングを飾る「The Power Of Equality」こそ前作での破天荒でおバカなスタイルを引き継いでいるものの、今作におけるメインどころはそこではなく、ジョン・フルシアンテ(G)の個性が強く発揮されたフォーキーで穏やかなサイケデリック感。確かに「Give It Away」や「Suck My Kiss」などファンキーな楽曲も存在こそすれど、それ以上に大ヒットシングル「Under The Bridge」や「Breaking The Girl」といったナンバーの印象が強いのではないでしょうか。
ぶっちゃけ、初めて本作に触れたときはその地味なテイストの多さに少しだけ違和感を覚えたものです。「あれ、求めていたものと違う」って。ファンキーはファンキーでも、「If You Have To Ask」や「Funky Monks」、「Sir Psycho Sexy」での落ち着いたトーンの楽曲群に対する「それじゃない」感。今聴けばそこに散りばめられた狂気性にも気づくのですが、ガキンチョの自分にはそこまでたどり着くことができず。しかも全17曲/70分超という大作ですから……30年近く前にリアルタイムで聴いたときの最初の印象、忘れられません。
正直なところ、最初のうちはそこまでのめり込むことはできませんでした。それよりは、同時期にリリースされたGUNS N' ROSESの『USE YOUR ILLUSION I』および『同 II』、輸入盤ではすでに出回っていたNIRVANAの『NEVERMIND』やPEARL JAMの『TEN』といった作品のほうにばかり手が伸びた記憶があります。
でもね、時間をかけてじっくり聴き込むと非常に味わい深い1枚なんですよね。今でも「長すぎ!」とは思いますが、あのタイミングにバンド(というかジョン)の創作意欲が爆発する感覚、しっかり伝わりますもの。と同時に、ジョンが脱退〜復帰を経てたどり着いた7作目『CALIFORNICATION』(1999年)という傑作を通過したあとに本作を聴き返すと、よりその魅力に気づかされる。そんな1枚でもあるのかなと思います。
当時ハタチそこそこの小僧には派手な曲にしか耳が行きませんでしたが、大人になればなるほどその魅力に引き込まれていく。30年前だったら「I Could Have Lied」みたいな曲にそこまで夢中にはなれなかったもんなあ。そういった意味では、ジョンが抜けたあとにデイヴ・ナヴァロ(JANE'S ADDICTION)と制作した6作目『ONE HOT MINUTE』(1995年)の派手さと地味さのさじ加減が一番ツボというのも、我ながら納得といいますか。
「Under The Bridge」の全米2位という大ヒットを受けて、アルバムも最高3位まで上昇。アメリカのみで700万枚超、全世界で1400万枚以上を売り上げるメガヒット作。その後のレッチリらしさはここからスタートしたんだなと、久しぶりに聴き返して再認識しました。今作と『CALIFORNICATION』から聴けば、まずレッチリは間違いないんじゃないでしょうか(『ONE HOT MINUTE』は無理に薦めません。笑)。
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