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2021年1月25日 (月)

THE SMITHS『THE QUEEN IS DEAD』(1986)

1986年6月にリリースされたTHE SMITHSの3rdアルバム。THE SMITHSというバンドが存続していた期間に、最初に触れたのがこのアルバム(と、1987年発売のコンピレーションアルバム『THE WORLD WON'T LISTEN』)でした。

デビューアルバム『THE SMITHS』(1984年)の時点で全英2位、続く2作目『MEAT IS MURDER』(1985年)ではついに全英1位に輝くなど、そのスタンスとは裏腹に国民的人気を獲得しつつあった彼ら。この3rdアルバムも全英2位を記録しており、「The Boy With The Thorn In His Side」(全英23位)、「Bigmouth Strikes Again」(同26位)というヒットシングルも収録されています。また、1992年にはベストアルバム発売に伴い「There Is A Light That Never Goes Out」もシングル化、全英25位のヒットとなりました。

チャート的にも成功を収めた『MEAT IS MURDER』と同じく、モリッシー(Vo)&ジョニー・マー(G)のプロデュース、スティーヴン・ストリート(モリッシー、BLUR、KAISER CHIEFSなど)のエンジニアリングで制作された本作は、ロック度/ポップ度ともに最良のバランスで構築されており、その完成度の高さから「THE SMITHSの最高傑作」との呼び声も高い1枚。攻めの姿勢のロックチューン「The Queen Is Dead」「Bigmouth Strikes Again」があるかと思えば、牧歌的なポップチューン「Frankly, Mr. Shankly」や「The Boy With The Thorn In His Side」(「心に茨を持つ少年」という邦題の素晴らしさたるや!)、名曲と呼ぶにふさわしい1曲「There Is A Light That Never Goes Out」、穏やかなミディアム/スローナンバー「I Know It's Over」「Never Had No One Ever」「Cemetry Gates」、ノリの良さでは随一の「Vicar In A Tutu」、オープニングでの音量エフェクトに最初こそドキッとさせられるも、ジョニー・マーのキラキラしたギターフレーズと耳馴染みの良いメロディの相性抜群の「Some Girls Are Bigger Than Others」と、すべてにおいて捨て曲なし。自分の音楽人生において“全曲歌えるアルバム”ってそうは多くないと思うのですが、この『THE QUEEN IS DEAD』はその数少ない作品のひとつだと断言できます(『THE WORLD WON'T LISTEN』もね)。

自分はTHE SMITHSというバンドにおいて、モリッシーというシンガー/表現者よりもジョニー・マーという稀代の名ギタリストによるプレイ/フレージングの数々に心を奪われた側の人間なのですが、そういう視点においても本作は特筆すべき点が多い1枚だと思います。アルバム冒頭「The Queen Is Dead」での切れ味鋭いカッティングがあるかと思えば、ラストでの「Some Girls Are Bigger Than Others」では美しいフレージングをたくさん味わうことができるのですから。あと、本作はリズム隊のアンサンブルも絶妙で、そういった意味でもバンドの最盛期に残した“記録”としては最高の部類に入るのではないでしょうか。

中学生後半〜高校時代はHR/HMを中心に聴いていた自分ですが、洋楽のルーツのひとつにはUKロックやニューウェイヴ/ニューロマンティックのバンドが含まれていることから、こういったバンドにも自然と手が伸びましたし、それを普通に勧めてくる友人も周りにいたので、なんとかリアルタイムで彼らに触れることができていました。だからこそ、突然の解散にはただただびっくりしましたが……。

もし「人生の10枚:洋楽編」みたいな企画をすることがあったら、間違いなくピックアップするであろう自分史的にも重要な1枚です。

 


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