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2021年1月 8日 (金)

DAVID BOWIE『NEVER LET ME DOWN』(1987)

1987年4月にリリースされたデヴィッド・ボウイの17thアルバム。

前作『TONIGHT』(1984年)と前後して、ボウイは映画関連の楽曲やサンドトラックに携わる機会が急増します。『コードネームはファルコン』(1984年)には「This Is Not America」を、『風が吹くとき』(1986年)には「When The Wind Blows」、そして自身も出演した『ビギナーズ』(1986年)には「Absolute Beginners」など数曲、同じく役者としても携わった『ラビリンス/魔王の迷宮』に関してはテーマソング「Underground」ほか6曲に関わり、サウンドトラックアルバム自体が半分ボウイのアルバムみたいなことになっております。このほかにもミック・ジャガーとのコラボカバーシングル「Dancing In The Street」(1985年)のヒットや、盟友イギー・ポップの再起作『BLAH-BLAH-BLAH』(1986年)のプロデュースや楽曲提供などもあり、多方面で大忙しの数年を過ごします。

『LET'S DANCE』(1983年)から『TONIGHT』までは1年半という短いスパンだったものの、結局『TONIGHT』に続くオリジナルアルバム到着までには2年半もの歳月を要することになるのも、納得のワーカホリックぶりですね。

そんなこんなで完成したアルバム。プロデューサーには新たにデヴィッド・リチャーズ(80年代後半以降のQUEENでおなじみの方)を迎え、リード・ギタリストにはピーター・フランプトンという渋い人選で制作されたわけですが……リリース当時は『TONIGHT』以上に酷評された記憶があります。まあそれも致し方ない内容と言いますか……。

方向性的には『LET'S DANCE』や『TONIGHT』に含まれるスタジアムロック的テイストをさらに拡大させたような内容で、すべてにおいて“ビッグ”なロックサウンドを楽しむことができます。ドラムは全編的に打ち込みかな? かなり硬質で、当時流行していたハードロック的手法が取り入れられているような印象も受けます。もはやニューウェイヴの色合いは感じられず、完全なるメインストリーム/王道ロックといったところでしょうか。

楽曲自体は悪くないんです。わかりやすいしポップだし、適度にハードだし。シングルヒットした「Day-In Day-Out」(全英17位/全米21位)や「Time Will Crawl」(全英33位)、「Never Let Me Down」(全英34位/全米27位)なんてその真骨頂ですし。だけど、これをボウイに求めるかと言われると……ね? 酷評の理由がなんとなく理解できます。

あと、本作の日本盤には初出時に「Girl」(ティナ・ターナーに提供した楽曲のセルフカバー)の日本語バージョンという謎のテイクが追加収録されていたことも、当時の迷走ぶりを象徴するような気が。曲自体は悪くないんです。なんなら、ティナのバージョンよりも良いと思う。だけど、あのたどたどしい日本語と謎な歌詞は……今聴いても苦笑い、のちにクスリみたな1曲です。

現行リマスター盤はオリジナル盤から1曲カットされていたり(「Too Dizzy」)、ボウイ自身もあまり気に入ってなかった的な発言もあったりしますが、ここでの挑戦が続く“自身がバンドの一員になる”TINE MACHINEへと続いていくのは、あながち間違った解釈ではないと思うのです。ていうか、そうなるよなと。

個人的にも特に印象が強くない1枚ですが、ミック・ジャガーが同年に発表したソロアルバム『PRIMITIVE COOL』(1987年)との共通点もあるような、ないような……結局はそういう時代だったってことなんでしょうね。と、自分を納得させて、またじっくり聴き込んでみます。

 


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