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2021年2月23日 (火)

THE ALMIGHTY『SOUL DESTRUCTION』(1991)

1991年3月30日にリリースされたTHE ALMIGHTYの2ndアルバム。日本盤は同年5月25日発売。

スコットランド・グラスゴー出身の4人組バンドが1stアルバム『BLOOD, FIRE AND LOVE』(1989年)、ライブアルバム『BLOOD, FIRE AND LIVE』(1990年)に続いて制作した2作目は、プロデューサーに当時THUNDERのデビューアルバム『BACKSTREET SYMPHONY』(1990年)を手がけたばかりのアンディ・テイラーex. DURAN DURAN、ex. THE POWER STATION)を迎えて制作。本作をもってオリジナル・ギタリストのタントラム(G)が脱退し、ピート・フリージン(ex. ALICE COOPER BANDなど)が加入することで本格的な最盛期を迎えます。

「Free 'n' Easy」(全英35位)、「Devil's Toy」(同36位)、「Little Lost Sometimes」(同42位)とスマッシュヒットシングルが続出した本作は、トップ50入りを逃した『BLOOD, FIRE AND LOVE』と打って変わって全英22位という好記録を残しています。1991年春というと、時期的にグランジ・ムーブメント勃発前。特にイギリスでは1990年前後に粒ぞろいの新人バンドが続々とメジャーデビューしていますが、このTHE ALMIGHTYはその中でもMOTÖRHEADの後継者的存在として評価されたことも、この高成績につながったのかもしれません。

音質的には同じくアンディ・テイラーのプロデュース作『BACKSTREET SYMPHONY』(THUNDER)に近いゴージャスさを感じさせるものですが、そこで鳴らされる楽曲群はパンクロックを通過した荒々しいハードロック。もし“GUNS N' ROSES以降”という表現が存在するとしたら、彼らもその流れを汲むひとつと言えるでしょう。アルバムのオープニングを飾る「Crucify」こそMOTÖRHEAD直系のハードブギーですし、続くシングル曲「Free 'n' Easy」もキャッチーさを伴うストレートなハードロックですが、「Joy Band One Time」や「Love Religion」「What More Do You Want」「Hell To Pay」などダーティさを伴うスリージーロックンロールはまさに“GUNS N' ROSES以降”そのもの。そこに「Little Lost Sometimes」をはじめとするスローナンバーが加わることで、アルバム全体に色彩豊かさを与えています。

全体的にモノトーンな印象の強かった前作から、楽曲のバラエティ面で一気に開花した本作。これもアンディ・テイラーの手腕によるものが大きいのでしょうか。しかし、バンドとしてはこれを良しとしなかったのか、続く3rdアルバム『POWERTRIPPIN'』(1993年)ではさらにヘヴィ&タフな作風へとシフト。そこにモダンヘヴィネス色も追加され、バンドとしてより一段高い場所へと上り詰めることになります。

本作の日本盤(すでに廃盤)にはボーナストラックとしてSEX PISTOLS「Bodies」、そして「Hell To Pay」のアコースティック・バージョンを追加収録。この2曲に当時のシングルC/W曲をまとめたボーナスディスクがついたデラックス・エディションも、2015年に海外でリリースされています。前者は中古盤ショップで、後者はネットショップなどで見つけられると思うのでご参考まで。

なお、本作は日本の各種ストリーミングサービスでは未配信。というか、THE ALMIGHTYのオリジナルアルバムはすべて未配信なので、どうにかしていただきたいなと思う次第です。

 


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