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2021年2月11日 (木)

TO KILL ACHILLES『SOMETHING TO REMEMBER ME BY』(2021)

2021年2月5日にリリースされたTO KILL ACHILLESの2ndアルバム。現時点で日本盤未発売。

TO KILL ACHILLESはスコットランドのダンディーで2010年に結成された5人組ポストハードコア・バンド。2013年に初のフルアルバム『EXISTENCE』を自主制作で発表して以降、地道な活動を続けてきましたが、2020年にドイツの大手インディーズレーベルArising Empireと契約し、約7年ぶりの2ndアルバムを完成させました。

全14曲が収録された今回のアルバムは、ある主人公の生き様を追ったコンセプチュアルな内容とのこと。25歳の誕生日を迎えた主人公が、生きていく中でさまざまな困難に直面し、最終的に自らの命を絶つまでの12ヶ月間とその後の反響までが描かれており、「We only exist when we exist together.」というメッセージとともにメンバーの実体験が投影されているそうです。

そういった(ある意味では)悲劇的な物語を、鬼気迫る激しさと感情に訴えかけるエモーショナルさが同居したカオティックなバンドアンサンブルで表現。歌うというよりは悲痛な叫びにも似たスクリームは、そういった劇的なバンドサウンドに乗ることでより強く響き、最初こそ息苦しさを覚えるものの、終盤に差し掛かるにつれてそれがどんどん悲しみを帯びて聴こえるように変化していきます。

また、曲と曲とをつなぐインタールード的なインストもアルバムをより盛り上げる要素となり、ピアノなど繊細な楽器を用いることでその効果はさらに向上。激しさ、エモさも通り一辺倒なものではなく、変化の付け方が非常に考えられている。なので、14曲と比較的多い曲数ながらも、最後まで飽きることなく楽しむことができます。

先のバンドからのメッセージをそのまま曲名に用いた11曲目「We Only Exist When We Exist Together」は、不穏なギターアルペジオをバックに言葉が吐き出されるという非常にミニマルな構成ですが、間違いなく本作のクライマックスと呼べる1曲。そこからつながる「21:36」というタイトル……なんとなく想像つきますよね。その後、「Beautiful Mourning」へと続く流れは、曲調と相まってただただ悲しく、ラストナンバーであるタイトルトラック「Something To Remember Me By」はひたすら虚しく響きます。

前作から本作までに間にEP『ANYWHERE BUT HERE』(2017年)のリリースこそあったものの、この約7年というブランクはこの圧倒的な1枚を完成させるために必要な期間だったんだなと、強く実感させられます。それくらい驚異的な1枚。できることなら歌詞をすべて把握して、もう一度じっくり本作と向き合ってみようと思います。

 


▼TO KILL ACHILLES『SOMETHING TO REMEMBER ME BY』
(amazon:海外盤CD / MP3

 

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