THE PRETTY RECKLESS『DEATH BY ROCK AND ROLL』(2021)
2021年2月12日にリリースされたTHE PRETTY RECKLESSの4thアルバム。日本盤は2月24日発売予定。
前作『WHO YOU SELLING FOR』(2016年)から約4年半ぶりの新作。海外ではFearless Records / Century Media Recordsへ、日本ではSony Musicへとレーベル移籍しての第1弾作品となります。
前作リリース後、バンドはSOUNDGARDENとのツアーを行なっていましたが、そのツアー途中でクリス・コーネルが亡くなるという悲劇に見舞われます。さらに、デビュー作からタッグを組んできたプロデューサーのケイトー・カンドゥワラが2018年春にバイク事故で急逝。バンドは負のスパイラルに陥ります。
しかし、2018年暮れから次作に向けた制作に着手。長年の友人ジョナサン・ワイマンを新たな共同プロデューサーとして迎え、1年以上にわたるスタジオセッションを経て完成に至ったのがこの『DEATH BY ROCK AND ROLL』という象徴的なタイトルが付けられたアルバムです。
バンドの中心人物であるテイラー・モムセン(Vo, G)に対して、ドラマ『ゴシップガール』のイメージをいまだに持っているという人も少なくないかもしれませんが、THE PRETTY RECKLESSとしての活動もすでに10数年。個人的にはデビューアルバム『LIGHT ME UP』(2010年)で一発ノックアウトされたクチなので(かつ『ゴシップガール』は観ていなかったので)、テイラー・モムセン=次世代のロック・ヒロインという印象が強く、本作もその延長で接したのですが……完全に化けましたね。適度なヘヴィさと適度なスモーキーさ、それでいてしっかりポップさも際立っている。問答無用にカッコいいロックアルバムだと断言できます。
本作には象徴的なタイトルの「Death By Rock And Roll」や「Rock And Roll Heaven」、SOUNDGARDENのキム・セイル(G)&マット・キャメロン(Dr)がゲスト参加した「Only Love Can Save Me Now」や、RAGE AGAINST THE MACHINEのトム・モレロをフィーチャーした「And So It Went」のようなガッツのある楽曲がある一方で、キャッチーなミディアムスローナンバー「Got So High」、つなぎ的な短尺曲ですが異色の仕上がりな「Broomsticks」、切なげなアコースティックバラード「Standing At The Wall」、テイラーにとってターニングポイントとなった25歳について歌った不穏な「25」、ブルースハープを取り入れたアーシーな「Harley Darling」など、非常にバラエティ豊かな内容。序盤こそタフでヘヴィに感じられるかもしれませんが、曲が進むにつれて中盤以降の奥行きの広さには驚かされることでしょう。ビビッドなカラフルさとは異なる、モノトーンの中でグラデーションで変化を付けていくスタイルは、まさにこのバンドならではといったところでしょうか。
スタートはダークなところから始まったのかもしれませんが、結果としては前進することを強くアピールした本作。ジャケットのセクシーさにドキッとさせられますが、中身は正真正銘のアメリカンロックンロールが鳴らされている。そんな非常にシンプルでわかりやすい、2021年ならではのロックアルバムの良作だと断言させてください。
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