« THE ALMIGHTY『SOUL DESTRUCTION』(1991) | トップページ | THE POWER STATION『LIVING IN FEAR』(1996) »

2021年2月24日 (水)

ANDY TAYLOR『DANGEROUS』(1990)

海外では1990年夏、日本では同年12月にリリースされたアンディ・テイラーの2ndアルバム。

ソロデビュー作となった『THUNDER』(1987年)から約3年半の歳月を経て届けられた本作は、MCA RecordsからA&M Recordsへと移籍して最初の作品。本来ならここで気合いの入ったオリジナル作品を期待したいところですが、実際に発表されたのは自身のルーツを提示したカバーアルバムでした。

その収録内容はTHIN LIZZY「Don't Believe A Word」、ロッド・スチュワート「Stone Cold Sober」、BAD COMPANY「Feel Like Making Love」、THE KINKS「Lola」、MONTROSE「Space Station No.5」、THE ROLLING STONES「Sympathy For The Devil」、ウィルソン・ピケット「Mustang Sally」、MOTT THE HOOPLE「Violence」、J.J.ケイル/エリック・クラプトン「Cocaine」、AC/DC「Live Wire」と60〜70年代のルーツロック中心の選曲。アンディはギターはもちろん、ボーカリスト、そしてプロデューサーとして本作をハードロック色の強いテイストにまとめ上げています。

この時期のアンディはTHUNDERのデビューアルバム『BACKSTREET SYMPHONY』(1990年)THE ALMIGHTYの2ndアルバム『SOUL DESTRUCTION』(1991年)などでプロデューサーとして活躍し始めた時期。デビューアルバム『THUNDER』はSEX PISTOLSスティーヴ・ジョーンズとの共同プロデュース作でしたが、そこでの経験がのちのこうしたプロデュース業に大きく役立ったことは否めないでしょう。今作で聴くことができるふくよかなサウンド・プロダクションも先の『BACKSTREET SYMPHONY』や『SOUL DESTRUCTION』との共通点を見つけることができ、“プロデューサー=アンディ・テイラーらしさ”みたいなものが確立されつつあることが伺えます。

アレンジも全体的にかなりハードロック色の強いテイストで、取り上げられた楽曲との相性もあってか、『THUNDER』よりもかなり硬質な印象を受けます。どうせならこの音やアレンジで最新のオリジナル曲を聴きたかったな……という思いも当時はありましたが、これはこれで楽しめたので良しとします。今聴いても楽しいですしね。

あと、「Sympathy For The Devil」や「Mustang Sally」をダンサブルなハードロックに仕上げてしまうセンスに、DURAN DURANのギタリストという肩書きを思い出さずにはいられません。結局、望むと望まざると自身のルーツは“元DURAN DURAN”というところまで含まれるってことなんですよね。

本作は現在廃盤状態。2010年頃にアンディのオフィシャルサイトやiTunes Store、海外の一部配信サイトで当時のシングルに収録されたカップリング曲3曲(FREE「Be Good To Yourself」、デヴィッド・ボウイ「Suffragette City」、THE JESS RODEN BAND「Winner With You (I'm On A Winner With You)」)を加え、曲順を変更した形でデジタルリリースされていますが、現在日本ではiTunesでの購入不可。海外ではさらにボーナストラックを加えた形でSpotifyで聴くことができるようですが、日本ではいまだに入手不可/試聴不可な状態。このアルバム以降、アンディはフルアルバムを一切発表していないので、何かのついでに再発されることもないでしょうから、できることならストリーミングサービスで手軽に聴くことができるようにしてほしいものです。

※追記(2023年11月)
こちらの記事を執筆してから2年半後の2023年11月、日本国内でも本作のストリーミング配信がApple MusicおよびSpotifyでスタートしました。

 


▼ANDY TAYLOR『DANGEROUS』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / MP3

 

« THE ALMIGHTY『SOUL DESTRUCTION』(1991) | トップページ | THE POWER STATION『LIVING IN FEAR』(1996) »

1990年の作品」カテゴリの記事

Andy Taylor」カテゴリの記事

カテゴリー