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2021年2月17日 (水)

DURBIN『THE BEAST AWAKENS』(2021)

2021年2月12日にリリースされたDURBINの1stアルバム。

DURBINはアメリカのオーディション番組『アメリカン・アイドル』出身のソロシンガー、ジェームズ・ダービンのソロプロジェクト。ジェームズはソロ名義でこれまでに3枚のアルバムを発表したほか、2017年から2019年にかけてはQUIET RIOTにも在籍し、『ROAD RAGE』(2018年)と『HOLLYWOOD COWBOYS』(2019年)という2枚のスタジオアルバムと『ONE NIGHT IN MILAN』(2019年)と題したライブ作品に参加しました。

そんなジェームズが、老舗LAメタル/ヘアメタルバンドを離れて新たに立ち上げたのが、自身のルーツに立ち返った“Pure Heavy Metal”プロジェクト。アルバムにはバリー・スパークス(B/ex. DOKKEN、ex. MICHAEL SCHENKER GROUP、ex. イングヴェイ・マルムスティーンB'zサポートなど)&マイク・ヴァンダーヒュール(Dr/Y&T、ジョエル・ホークストラなど)をリズム隊に、ジョン・ヤドンJr.、ディラン・ローズ、マーク・プットナム、ニック・ギャラントといったギタリスト(ジェームズ自身もギターをプレイ)やアール・サリンドー(Key)などがメンバーとして名を連ねるほか、「Kings Before You」にはクリス・ジェリコ(Vo/FOZZY)、フィル・デンメル(G/VIO-LENCE、ex. MACHINE HEAD)がゲスト参加しています。

過去のソロアルバムでは少々オルタナメタル/ハードロック寄りのスタイルでしたが、このアルバムでは先のコンセプトどおり、骨の髄までピュアなメタルを堪能することができます。だって、1曲目「The Prince Of Metal」(タイトルよ!)からして、楽曲スタイルから歌唱スタイルまでどこからどう切り取ってもヘヴィメタルそのものですからね。QUIET RIOTのときは「このバンドにしては線の細さが……」なんて思っていたけど、本作でのハイトーンを強調した歌唱法は「どこにそんな特技を隠していたんだ?」と思わされるほど。まあこの人、『アメリカン・アイドル』ではJUDAS PRIEST「You've Got Another Thing Comin'」まで歌った人ですものね。そのほかにもサミー・ヘイガー「Heavy Metal」、JOURNEY「Don't Stop Believin'」、AEROSMITH「Dream On」なども歌ってましたし、メタリックなハイトーンには定評があったわけですよ。

その「伝家の宝刀」がQUIET RIOT時代はうまく活かしきれなかった気がして。いや、曲によってはハイトーンバリバリ活用してましたけど、曲が軽すぎて印象に残らなかったというのが正解か。適材適所ってまさにこのことなんですよ。クラシカルなテイストのアップチューン「Necromancer」やDIOを彷彿とさせるミドルヘヴィ「Riders On The Wind」、ワイルドな疾走ナンバー「Calling Out For Midnight」、メロディアスな正統派メタル「The Beast Awakens」、ジャーマンメタル的なファストナンバー「Rise To Valhalla」など、高音のみならず中音域〜低音まで幅広く駆使したボーカルをベストな形で聴かせることができる楽曲が目白押しです。

個人名義のソロ作品は彼の『アメリカン・アイドル』でのイメージを、2010年代前半という時代性を反映させることで具体化できたものでしたが、このDURBINで聴ける楽曲群はそういった時代性を無視して、ジェームズ・ダービンという男が生涯をかけて表現したいHR/HMが凝縮されている。そういった意味では、本作こそが彼の真のデビューアルバムなのかもしれませんね。偏見抜きで触れてもらいたい、良質なクラシカルHR/HMアルバムです。

 


▼DURBIN『THE BEAST AWAKENS』
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