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2021年4月20日 (火)

WHILE SHE SLEEPS『SLEEPS SOCIETY』(2021)

2021年4月16日にリリースされたWHILE SHE SLEEPSの5thアルバム。現時点で日本盤未発売。

全英21位を記録した前作『SO WHAT?』(2019年)から2年ぶりの新作。ヘヴィさと親しみやすさ、さらにはエレクトロの要素も適度にフィーチャーするなど全体的にバランス感に優れており、軽く前作超えの1枚に仕上がっています。

バンドは昨年からPatreon.comというプラットフォームを通じて、「Sleeps Society」と呼ばれるサブスクリプションサービス型ファンコミュニティを開始。アルバムはこのサービス名と同名で、収録曲「Call Of The Void」にはこのサービスの会員による歌声もフィーチャーしています。さらに、「Nervous」にはサイモン・ニール(Vo/BIFFY CLYRO)、「No Defeat For The Brave」にはデリック・ウィブリー(Vo/SUM 41)がそれぞれゲスト参加。BIFFY CLYROのニール、最近はARCHITECTSの新作『FOR THOSE THAT WISH TO EXIST』(2021年)にも参加していたけど、交友関係広いのね。

さて、先にも書いたように本作は非常にバランス感が絶妙な内容で、冒頭2曲でヘヴィさを強調したかと思えば、ハードテクノのようなデジタルリフが気持ち良い「Systematic」があったり、「Nervous」や「Know Your Worth (Somebody)」などではキャッチーなメロディで親しみやすさを与える。また、「No Defeat For The Brave」ではオーケストレーションも取り入れ壮大さをアピールし、異色のピアノバラード「Division Street」はまるで賛美歌のように聴こえる。UKメタルコアの美味しいとこ採りでバラエティ豊かな内容なんだけど、散漫さは皆無。しっかり芯が存在し、かつ豪快さの中にも適度な甘さが散りばめられており、聴いていてまったく疲れないんですよ。

作品の方向性としては確実に前作の延長線上にあるんだけど、印象に残るかどうかでいったら今作のほうがダントツ上。なぜなんでしょう……これって結局、ライブができなかった2020年を制作に費やしたことが大きかったんでしょうか。だとしたら、どのバンドもみんな良い作品になるはず(暴言)。

とにかく、すべてにおいてきめ細やかな作りで、言い方はアレかもしれませんが「メタルコア/モダンメタルの良曲プレイリスト」的な1枚と言えなくもない。ああ、だから良いのか。しかも曲順が練られていて、軸がブレていないから気持ちよく楽しめる。正直なところ、彼らのアルバムの中で1枚通してここまで「これは良い!」と思えたのは、初めてかもしれません。それくらい文句なしの1枚。先のARCHITECTSの新作同様、2021年のUKモダンメタルシーンを象徴する傑作ではないでしょうか。

ARCHITECTSは新作でついに全英1位を獲得してしまいましたが、WHILE SHE SLEEPSもこの新作でいいところまでいくんじゃないか……そう強く実感させる、問答無用の1枚です。

 


▼WHILE SHE SLEEPS『SLEEPS SOCIETY』
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