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2021年4月10日 (土)

CHEAP TRICK『IN ANOTHER WORLD』(2021)

2021年4月9日にリリースされたCHEAP TRICKの20thアルバム。現時点で日本盤未発売。

Big Machine(Universal流通)と契約し発表した7年ぶりの新作『BANG, ZOOM, CRAZY... HELLO』(2016年)を筆頭に、2年足らずでアルバム3作を連発した彼ら。単曲での配信はあったものの、アルバムとしては前作に当たるクリスマスアルバム『CHRISTMAS CHRISTMAS』(2017年)から3年半ぶりとなります。

今作から新たにメジャーのBMG(Warer系)と契約しましたが、制作陣はまったく変わらず。15thアルバム『ROCKFORD』(2006年)から携わるジュリアン・レイモンドが、バンドとの共同プロデューサーとして名を連ねています。というわけで、中身的にもここ数作の路線と何ら変わらず、王道のCHEAP TRICK節を轟かせております。

全13曲を収録しておりますが、うち1曲がアルバム収録曲「Another World」の別バージョン「Another World (Reprise)」、さらにジョン・レノンのカバー「Gimme Some Truth」。さらに、アルバムのオープニングを飾る「The Summer Looks Good On You」は2018年に先行配信されていた既発曲なので、純粋な新曲は10曲といったところでしょうか。ですが、そんなことはどうでもいい! だって、どれも最高にご機嫌なロックンロール/パワーポップ/バラードなんですから。

先に触れた「Another World」ですが、オリジナルバージョンはバラードスタイルのミディアムナンバーで、「Another World (Reprise)」と題した別バージョンはハードドライビングなロックアレンジ。元は同じ曲ではあるものの、何気に別モノとして楽しめるのではないでしょうか。

「The Summer Looks Good On You」は言わずもがな、タイトルからして最高な「Boys & Girls & Rock N Roll」や今作からのリードトラック「Light Up The Fire」、「Here's Looking At You」など現役ぶりをアピールするアップチューンも豊富ですし、ビートルズ・ライクな「Quit Waking Me Up」、タイトなミディアムロック「The Party」、ジミー・ホールがハーモニカで参加したブルースロック「Final Days」、音数の少ないメロウなスローナンバー「So It Goes」、どことなくサイケデリックなバラード「I'll See You Again」など、従来の“らしさ”をブラッシュアップした良曲揃い。アルバムラストを飾る「Gimme Some Truth」ではスティーヴ・ジョーンズSEX PISTOLS)のギターを大々的にフィーチャーしており、こちらもおまけとしては十分な1曲と言えるでしょう。

ここ10数年、リリースペースは以前と比べてだいぶ落ちているものの、そのぶん大きくがっかりさせられるアルバムが存在しない彼ら。今作も期待以上の内容でした。この先、あと何枚の新作を聴くことができるかはわかりませんが、できることならこのクオリティを保ったまま“らしい”作品を、1枚でも多く届け続けてくれることを願わずにはいられません。

 


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