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2021年5月 2日 (日)

BLACK LABEL SOCIETY『1919 ETERNAL』(2002)

2002年3月5日にリリースされたBLACK LABEL SOCIETYの3rdアルバム。日本盤は同年2月27日に先行発売。

前作『STRONGER THAN DEATH』(2000年)からちょうど2年ぶりに発表された本作は、新たなドラマーとしてクレイグ・ニューネンマッハー(ex. CROWBAR)、新ベーシストにロバート・トゥルヒーヨ(当時オジー・オズボーンのツアーメンバー。のちにMETALLICAに加入)を迎えて制作(ロブは「Demise Of Sanity」「Life, Birth, Blood, Doom」のみでプレイし、それ以外はザック・ワイルドがベースも兼務)。楽曲自体はザックがオジーのアルバム『DOWN TO EARTH』(2001年)のために用意したものが多く含まれており(「Bleed For Me」「Demise Of Sanity」「Life, Birth, Blood, Doom」「Bridge To Cross」など)、これらがオジーから「Too BLACK LABEL(BLSすぎる)」との理由で却下されたため今作で流用されることとなりました。

基本的には過去2作の延長線上にあるものの、まとまりの良さというか“とっつきやすさ“が過去作以上なのはそういった理由も大きいのでしょう。のちのBLSにも通ずる作風がここでひとつ確立された感が伝わります。ですが、全体を覆う(精神的にくる)ダークさは過去2作以上のものがあり、このアンバランスさは非常にクセになるものがあります。

というのも、本作はザックの父親に捧げられたものであり、ジャケットからもわかるように戦争を題材のひとつとして選んでいること(アートワークはオランダで親衛隊募集をかけた際のナチスのプロパガンダポスターを題材にしたもの)、アルバム発売の半年前に“9.11”が発生していることなど、ネガティブな要素が多分に制作に影響を与えており、音圧で聴く者を圧倒させてきた過去2作とはそこが異なるんですよね。本作は音質的に若干クリアになった感があり、そういった点が聴きやすさに影響を与えていますが、そう思いながらアルバムに触れ続けているといつの間にか心にズッシリした重荷を抱えていることに気づくという。かつ、アルバムを締め括る1曲が「America The Beautiful」(アメリカ合衆国の愛国歌)のインストゥルメンタル・バージョンというのも、非常に考えさせられるものがあります。そういった意味での「(精神的にくる)ダークさ、ヘヴィさ」は唯一無二と言えるのではないでしょうか。

「Bleed For Me」や「Demise Of Sanity」「Bridge To Cross」「Graveyard Disciples」あたりはバンドの代表曲と読んでも差し支えない完成度を誇り、それ意外にも「Battering Ram」「Lost Heaven」「Mass Murder Machine」あたりもザックらしさが存分に味わえるはず。BLSの入門編としてはさらに楽曲/サウンドの整合感が増した次作『THE BLESSED HELLRIDE』(2003年)をオススメしますが、その次に聴くなら今作なんじゃないかなという気がしています。初期2作はいろんな意味において破天荒すぎますからね(笑)。

ニューメタル全盛の2002年という時代に、こんなにもヘヴィ&ダークなアルバムでシーンと向き合ったザック・ワイルド。その頑張りは、BLS初のBillboard 200入り(最高149位)という数字にも表れている気がします。

 


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