GHOST IRIS『COMATOSE』(2021)
2021年5月7日にリリースされたGHOST IRISの4thアルバム。日本盤未発売。
GHOST IRISはデンマークのコペンハーゲン出身の4人組バンド。ボーカル、ドラム、7弦ギター×2という編成で、パーマネントのベーシストは在籍しておらず、レコーディグではベースレスだったり、ギタリスト2人がベースを兼務したりといろいろのよう。過去には1stアルバム『ANECDOTES OF SCIENCE & SOUL』(2015年)が日本盤リリースされており、2017年末には来日経験もあるようです。
もともとはPERIPHERYやERRAなどにも通ずるDjent(ジェント)の流れを汲むプログレッシヴ・メタルコアで話題を集めたようですが、前作『APPLE OF DISCORD』からはグルーヴメタル寄りのサウンドにシフトし始めたとのこと。続く本作もその延長線上にある作風で、ザクザクと気持ち良いDjent寄りの7弦ギターリフをベースに、テクニカルなプレイに特化するよりもミドルテンポのパーカッシヴかつグルーヴィなメタル/ラウドサウンドを強調した世界観が展開されています。
CHIMAIRAのマーク・ハンター(Vo)がゲスト参加した「Desert Dread」のスピード感とアグレッションは非常に気持ちよく、間違いなく本作におけるキラーチューンのひとつと断言できます。かと思えば「Ebb//Flow」のようなストレートに響くメロディアスナンバーがあったり、カオティックな「Cult」「Power Schism」やグルーヴィ&ドゥーミーな「Coma」のような楽曲も存在する。適度な重低音とアグレッシヴさ、ヨーロッパのバンドらしい湿り気の強いマイナートーンが非常に心地よく、全10曲/約37分があっという間に感じられるほどです。
また、先に触れたようなメロディアスな楽曲からはエクストリームメタルというよりは王道メタル側に歩み寄りつつあるのかな、という印象も受けます。正直、そういったタイプのバンドは現在山ほどいるんじゃないかと思いますが、彼らの場合はそこに Djentバンド的なハーモニクスを多用したギターフレーズを散りばめることで、かろうじて独自性が保たれているかな。そういった意味では、本作はまだまだ変化の過程にあるんだろうなという印象を受けました。
すべてにおいて平均点はクリアしているし、ほかの同系統バンドの中でも頭ひとつ抜けた感が伝わる1枚ではあると思います。もしかしたら、彼らが本当の意味で“化ける”のは本作を通過した次のアルバムになるんじゃないか……そんな気がしてなりません。というか、そう強く実感させる「ホップ、ステップ、ジャンプ」のステップ的存在が本作なんだろうなと。気が早いけど、5作目でどんな姿を見せてくれるのかが、今から楽しみです。
▼GHOST IRIS『COMATOSE』
(amazon:海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3)
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