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2021年6月23日 (水)

BUCKCHERRY『HELLBOUND』(2021)

2021年6月23日に日本先行リリースされたBUCKCHERRYの9thアルバム。海外では同年6月25日発売。

ジョシュ・トッド(Vo)、スティーヴィー・D(G)、ケリー・レミュー(B)に新メンバーのケヴィン・レントゲーン(G)、フランシス・ルイズ(Dr)を加えた新編成で“三度目のデビューアルバム”と呼ぶにふさわしい前作『WARPAINT』(2019年)を発表したBUCKCHERRY。今作が届けられる2年3ヶ月の間に、ケヴィンが脱退してしまい、新たにビリー・ロウ(G/ex. JETBOY)が加入してこの新作を完成させました。

レコーディングは2020年11月にナッシュビルで実施。プロデューサーには過去に4作目『BLACK BUTTERFLY』(2008年)を手がけ、最大のヒット曲「Sorry」(2007年)を共作したマーティ・フレデリクセンが担当。マーティは楽曲制作においても、ジョシュとスティーヴィーとともに大部分で共同執筆しており、その影響なのか前作での毒々しさが若干薄れた、メロウで聴きやすいロックンロールアルバムに仕上がっています。

全体的に非常に整理された感が強く、それも聴きやすさにつながっているのでしょう。90年代のAEROSMITHと黄金期のAC/DCがミックスされたかのようなグルーヴィーなロックチューンの数々は、大ヒット作となった3作目『15』(2005年)をより洗練させたように映ります。パンク風味の豪快なロックチューンがあるかと思えば、「No More Lies」のようないかがわしいファンクロックもあるし、ブルージーなミディアムナンバー「Wasting No More Times」、名曲「Sorry」にも匹敵するスローバラード「The Way」、レゲエテイストのリズムを取り入れた「Barricade」のような楽曲も存在し、思いのほかバラエティに富んでいる。だけど、全10曲36分があっという間に感じられるのは決して退屈なわけではなくて、それだけ馴染みやすい構成ということなのでしょう。

前作にあったえげつなさは皆無だけど、BUCKCHERRYらしさはしっかり存在している。数ある個性のどこをフィーチャーするかの違いでしょうけど、これはこれでありだと思いました。個人的に難を挙げるとするならば、楽曲の出来は申し分ないけど、これぞ!という問答無用にカッコいいギターリフが少ない気がするので、そこかなあ……この手のバンドにとっては死活問題だと思うんですが、どうでしょうか。

なお、日本盤はさらに2曲(「Don't Even Mention」「Cool With」)ボーナストラックを追加した、全12曲43分という程よいボリューム。ポップさ際立つ前者とダルなロックチューンの後者は……まあ“おまけ”といいったところでしょうか。ただ、前者は比較的出来が良いしアルバム本編にない色なので、これを含む全11曲39分という内容でもよかったんじゃないかという気がします。でも、昔ながらの10曲という構成も潔くていいけどね。

 


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