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2021年6月 9日 (水)

ATREYU『BAPTIZE』(2021)

2021年6月4日にリリースされたATREYUの8thアルバム。日本盤未発売。

前作『IN OUR WAKE』(2018年)から2年8ヶ月ぶり、2014年の再始動後3作目のオリジナル作品。結成時からのフロントマンであるアレックス・ヴァルカッツァス(Vo)脱退を経て、ドラム&クリーンボーカル担当だったブランドン・サーラーが新たなフロントマンとして全ボーカルを担当した最初のアルバムでもあります。要するに、ATREYUにとっては新たに生まれ変わった、心機一転の1枚なわけです。

アレックスのスクリームによるカッコ良さが光っていた初期作と比べて、近年はスクリームの比重が低くなっており、特に前作はメロディアスに歌い上げる王道路線へとシフトしていたので、この新作を聴いても特に大きな変化は感じられないかもしれません。ブランドンの歌声もアレックスほどザラつきがなく、スルスルっと耳に入ってくる心地よいボーカル(ちょっと意地悪な言い方をすれば没個性かなと)。デジタルエフェクトを多用したこのモダンなメタルサウンドには十分合っていると感じました。また、スクリームはベースのマーク・マックナイトが担当しており、こちらも要所要所にアクセント程度で登場するのみ。バランスとしては悪くないのではないでしょうか。

2〜3分前後とコンパクトにまとめられた楽曲群はどれもわかりやすく耳馴染みの良いものばかりで、アグレッシヴな作風の中に「Dead Weight」のようなパワーバラードも用意されており、アレンジや音の質感こそ2010年代後半以降のそれですが、目指す方向性は意外と古き良きヘヴィメタル的なものなのかな、と受け取りました。だからこそ、我々のようなオッサンにも非常に受け入れやすいものがある。昨今のメタルコア事情に疎い同世代のリスナーにもオススメしやすい、入門編的1枚と断言させてください。

とはいえ、2000年代の彼らに魅せられた身としては、この正統派スタイルはちょっと寂しくも感じられ。そりゃあ20年近くにわたり初期のようなアグレッションを維持するのは難しいでしょうし、音楽家としても日々成長しているので、作品ごとにアップデートしたい気持ちも重々理解しています。そういう個人的感傷を切り離すのはなかなか難しいところですが、そこを抜きにすれば本作は平均点以上のヘヴィメタルアルバムだと言えるでしょう。

なお、本作にはPAPA ROACHのジャコビー・シャディックス、TRIVIUMのマット・ヒーフィー、BLINK-182のトラヴィス・バーカーがゲスト参加。ATREYUの新たな船出に華を添えているので、これらの楽曲も必聴です。

 


▼ATREYU『BAPTIZE』
(amazon:海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

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