RIDE『TARANTULA』(1996)
1996年3月11日にリリースされたRIDEの4thアルバム。日本盤は同年4月10日発売。
前作『CARNIVAL OF LIGHT』(1994年)ではマーク・ガードナー(Vo, G)とアンディ・ベル(Vo, G)が半々ずつ曲を書き、かつそのバランス感も非常に優れたものであり、一介のシューゲイザーバンドから普遍性の強いロックバンドへと脱却する契機を作る成功を得ました。しかし、この頃からマークとアンディの均等なバランスが崩れ始め、続く今作ではアンディ主体でアルバム制作が進められます。
これはアンディのエゴが爆発したと受け取ることもできますが、裏を返せばマークがバンド(および音楽活動)に以前ほど熱を感じられなくなっていたとも言えるのかなと。事実、この『TARANTULA』というアルバムにはマークの楽曲は全12曲中2曲(うち1曲はスティーヴ・ケラルト&ローレンス・コルバートとの共作)と非常に少ない。となると、必然的にアンディが頑張るしかなかったと受け取ることもできます。
そのアンディ主導の楽曲ですが、前作で得た成功および自信が悪い方向に動いてしまった感があります。『CARNIVAL OF LIGHT』の延長線上にある楽曲も少なくありませんが、それ以上にアルバムを覆うのが当時にブリットポップ的な方向性。本作が制作された1995年というと、イギリスではOASIS vs BLURでメディアが盛り上がっていた頃。チャート上にもブリットポップ・ムーブメントの影響下から登場したバンドたちがその名を連ね、RIDEのようなバンドは早くもひと世代前の存在へと追いやられていたわけです。
そんな中で、アンディが「俺たちにだってそれくらいできる」と起死回生を狙ってアクションを起こしたのかどうかはわかりませんが、実際本作で聴くことができる楽曲群の多くが本来のRIDEらしさを見失った、ブリットポップ・ムーブメントに惑わされたどっちつかずの佳作ばかり。マークの携わった曲も『CARNIVAL OF LIGHT』の延長線上にあるものの精彩さに欠け、アンディの曲の影に隠れてしまっている。結果、完成したアルバムを聴いて愕然としたのではないでしょうか。
アンディはこのアルバムが発売される前にバンドからの脱退を発表。本作から唯一のシングル「Black Nite Crash」は全英67位と低調に終わり、アルバム自体も最高21位と過去イチ低い数字を残しています。そして本作発売から間もなくして、RIDEは解散を正式発表。1988年の結成から8年という短い命を終えることになります。
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