BEARTOOTH『BELOW』(2021)
2021年6月25日にリリースされたBEARTOOTHの4thアルバム。日本盤未発売(日本語歌詞対訳を付けた国内仕様輸入盤あり)。
全米40位まで上昇した前作『DISEASE』(2018年)から2年9ヶ月ぶりの新作。メンバーのケイリブ・ショーモ(Vo)とオシー・ビッチャー(B)のセルフプロデュース作となります。ヘヴィメタルやハードロックの範疇というよりは、ポストハードコア寄りのメタルコアに属するバンドですが、2000年代以降のラウドロック、モダンヘヴィネスバンドを愛聴してきたリスナーなら問題なく楽しめる1枚だと断言できます。
このバンドはとにかくメロディラインが秀逸で、作品を重ねるごとにそのクオリティはどんどん高まっています。本作におけるメロディアスさ、キャッチーさは過去3枚を軽く超えるほどの仕上がりで、どの曲も一度聴いたら口ずさめるようなものばかり。スクリームも要所要所に登場するものの、彼らの場合はよくいるポストハードコアバンドにある「取ってつけたようなメロウなライン」的手法とは真逆に位置する「スクリームは味付け程度で、軸になるのはしっかり作り込まれたメロディ」を武器とする存在ではないでしょうか。
しかし、メロディを重視するからといって楽曲全体がヤワになることもなく、どれもアグレッシヴさが水準以上に保たれている。このバランス感、普通の同系統バンドなら極端にソフトになるか極端にコアに進むかの二極化を迫られると思うんですが(そんなことない?)、BEARTOOTHの場合は現在の時点にとどまり続けながら、その精度をさらに高めることに注力している。その真摯な姿はリスペクトに値するものだと思うんです。
大半の楽曲が3分台とコンパクトにまとめられており、その中にエモの延長線上にあるポストハードコア、メロディアスなハードロック的なスタイル、ブラストビートやカオティックなギターリフを用いたコアなアレンジなどさまざまな形態が用意されているのですが、それらがすべてメロウに響くのですから、面白いったらありゃしない。これ、やろうと思ってもそう簡単にできることじゃないですよ。
で、ふと思ったのですが、彼らって今後“2000〜2010年代におけるAVENGED SEVENFOLDのような存在”に進化していくんじゃないでしょうか。A7Xのように王道を目指すようなタイプとは異なるかもしれませんが、少なくともここ日本においてはCrossfaithとの共演をはじめ、2000年代後半以降に誕生した国内ラウドロックバンドとの共通点が見受けられる。それだけに、ここ日本と海外ラウドシーンとをつなぐ架け橋的存在になるんじゃないか……そう信じています。
いやあ、それにしても想像をはるかに超える力作でした。百聞は一見にしかず、じゃないですけど、この手のバンドに対して偏見を持っているメタルリスナー、そして洋楽はあまり聴かないという国内ラウドロックファンにこそ触れてもらいたい、現在の海外メタル/ラウドシーンに入門編的1枚です。
▼BEARTOOTH『BELOW』
(amazon:海外盤CD(歌詞対訳付) / 海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3)
« SKID ROW『RISE OF THE DAMNATION ARMY - UNITED WORLD REBELLION: CHAPTER TWO』(2014) | トップページ | BILLY F GIBBONS『HARDWARE』(2021) »
「Beartooth」カテゴリの記事
- CAN'T SWIM『CHANGE OF PLANS』(2021)(2021.12.23)
- DON BROCO『AMAZING THINGS』(2021)(2021.10.26)
- BEARTOOTH『BELOW』(2021)(2021.07.07)
- SILVERSTEIN『A BEAUTIFUL PLACE TO DROWN』(2020)(2020.05.30)
- THE USED『HEARTWORK』(2020)(2020.05.27)
「2021年の作品」カテゴリの記事
- DEEP PURPLE『TURNING TO CRIME』(2021)(2022.07.25)
- STEVE CONTE『BRONX CHEER』(2021)(2022.06.12)
- nothing, nowhere.『TRAUMA FACTORY』(2021)(2022.06.10)
- WHILE SHE SLEEPS『SLEEPS SOCIETY (SPECIAL EDITION)』(2022)(2022.06.06)
- ERRA『ERRA』(2021)/『ERRA (DELUXE EDITION)』(2022)(2022.04.27)