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2021年7月18日 (日)

MÅNESKIN『TEATRO D'IRA: VOL.1』(2021)

2021年3月19日にリリースされたMÅNESKINの2ndアルバム。現時点では日本盤未発売 日本盤は同年10月13日、アートワークを一新して発売。

フランス・ギャルやABBA、セリーヌ・ディオン、LORDIEなどを輩出したヨーロッパ最大の音楽の祭典『EUROVISION SONG CONTEST』。その2021年版で見事優勝を果たしたのがイタリア出身の4人組バンドMÅNESKIN(日本ではマネスキンと呼ばれていますが、どちらかというとモーネスキンのほうが言語に近いのかな)。2016年に結成されて以降、カバー曲を含むEP『CHOSEN』(2017年/イタリア3位)、1stフルアルバム『IL BALLO DELLA VITA』(2018年/同1位)とすでに本国では人気の高いバンドのひとつとして捉えられているようです。

2作目のアルバムとなる今作には、その『EUROVISION SONG CONTEST 2021』で優勝受賞曲となった「Zitti e buoni」(ITA 2位/UK 17位)のほか、「Vent’anni」(ITA 12位)、「I Wanna Be Your Slave」(ITA 7位/UK 5位)といったヒット曲を含む全8曲を収録。トータル29分と尺は短いものの、非常に聴き応えのある内容に仕上がっています。

個性的なヴィジュアルと若干硬質なサウンド含め、彼らをHR/HMの範疇で語ろうとする動きもあるようですが、個人的にはそこに対する違和感がずっと残っていて。言わんとしていることもわかるんだけど、それだったら過去20年ちょっとの間に登場したあのUKバンドも、このUSバンドもみんなそのカテゴライズで語ってほしかったな……なんていう疑問が残ったり。まあいいんですけどね。

「Zitti e buoni」を筆頭に、RED HOT CHILI PEPPERSの影響下にあるゴリっとしたサウンドの“跳ね”気味の楽曲やラップボーカルをフィーチャーしたスタイルがHR/HM寄りと受け取られるんでしょうけど、このへんは90年代後半以降のUK ロックやヨーロッパのバンドにも普通に見受けられました。その延長線上にありながらも、純粋に楽曲の良さを追求し、その曲を最良の形で届けるバンドアンサンブル、そしてバンドとしての色気など含めすべてが「当たり前のカッコよさ」としてそこに存在することが、もしかしたら2021年においては奇跡なのかもしれませんね。

「Coraline」や「La paura del buio」のように湿り気の強いメロディラインは日本人の琴線にも触れるはずですし、「I Wanna Be Your Slave」や「In nome del padre」でのループするヘヴィなリフ&リズムとラップボーカルの気持ちよさは確かにハードロックリスナーにも強く響くものがあるでしょう。と同時に、そういったジャンル分けなどを気にすることなく、純粋にカッコいいロックバンドとして広く受け入れられる要素もこの作品には無数に散りばめられているように感じられます。

何か特別飛び抜けた存在というよりは、良い曲を当たり前のように追求した結果、高く評価されたという至極真っ当な1枚。「○○だから、××のリスナーにも聴いてほしい」ではなく、いい曲、カッコいいバンドというシンプルな理由で広まってほしい。そう願わずにはいられません。

 


▼MÅNESKIN『TEATRO D'IRA: VOL.1』
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