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2021年7月30日 (金)

DREAM THEATER『A DRAMATIC TURN OF EVENTS』(2011)

2011年9月13日にリリースされたDREAM THEATERの11thアルバム。日本盤は同年9月7日に先行発売。

2010年9月にマイク・ポートノイ(Dr)が脱退し、バンドは企画色の強いドラムオーディションを実施。数々の強豪を抑えて正式メンバーの座を勝ち取ったのが、過去にスティーヴ・ヴァイのサポートや後期EXTREMEなどに在籍した経験を持つマイク・マンジーニ。そして、ポートノイの脱退から1年という短期間で届けられたのが、Roadrunner Records移籍3作目に当たる今作でした。

前作『BLACK CLOUDS & SILVER LININGS』(2009年)で10作目、そしてポートノイのリーダー体制最後のアルバムという区切りを経て新編成で臨んだ11作目は、まるでバンド何度目かのデビューアルバムのようでもあり、ブレイク作となった2作目『IMAGES AND WORDS』(1992年)の再来とも言えるような作風・内容でした。

せっかくマンジーニという名手を獲得したにもかかわらず、ミックス状態はドラムが若干引っ込み気味というチグハグさに、最初こそ戸惑いを隠せませんでしたが(マンジーニが加入間もないこともあり、そこまで強く主張できなかったのかなと)、楽曲の良さは近作では随一ではないかと言えるほど。もっと言ってしまえば、本当に『IMAGES AND WORDS』並みにわかりやすい楽曲が並ぶ、バランス感に優れた内容なのです。

3rdアルバム『AWAKE』(1994年)以降のモダンヘヴィネス路線は若干後退し、耳に残りやすい歌メロと複雑ながらもわかりやすさを重視したアレンジを大切にしたことから、前作にあった重苦しさはまったく感じられず。全9曲で77分という長尺ながらも最後まで飽きずに楽しめる作り込みは、過去10年を振り返っても見当たらないんじゃないかと思えるほど。だんだんと高音が厳しくなり始めていたジェイムズ・ラブリエ(Vo)の声域を把握しつつも、メロディの動きがしっかり感じられる構成もさすがだなと思いました。

ポートノイが確立させたDTらしい個性を踏まえつつ、マンジーニらしい圧倒的なプレイが思う存分楽しめる「Outcry」を筆頭に、演奏面も文句なしに素晴らしい楽曲ばかりで、これでリズム面のミックスがもう少しシャープでアタックの強いものだったら200点満点だったのに……そんな惜しさを残しつつ、それでもなお完成度の高さを感じさせるのは、そもそもの基準値が高すぎるという事実の表れかなと。とにかく、後期DTが自身の過去の偉業を見つめ直し、再スタートを切った記念すべき1枚。プログレハードやプログメタル初心者にもオススメの良盤です。

 


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