YONAKA『DON'T WAIT 'TIL TOMORROW』(2019)
2019年5月31日にリリースされたYONAKAの1stフルアルバム。日本盤未発売。
YONAKAは2014年にイギリス・ブライトンで結成された4人組バンド。彼らがその名を広めるきっかけとなったのが、2016年の音楽フェス『Radio 1's Big Weekend 2016』でのBBC Introducingステージのパフォーマス。これを機に、2017年には初のEP『HEAVY』を自主制作で発表し、2018年には英Asylum Recordsと契約して2枚のEP(『TEACH ME TO FIGHT』『CREATURE』)をリリースしたほか、BRING ME THE HORIZONのヨーロッパツアーにFEVER 333とともに帯同します。2019年に入ると新たにFueled By Ramenとワールドワイド契約を果たし、この1stアルバムを発表することとなります。
彼らのバンド名は日本語の「夜中」に由来しているとのことで、深夜が醸し出す独特な空気感やエネルギーはこのバンドにおける大きなモチーフになっているとのこと。また、そういった世界観と並行して、歌詞ではメンタルヘルスについて題材にすることも多く、このアルバムの多くの楽曲もそういったテーマが扱われているとのことです。
サウンド的には2010年代後半以降の主流であるモダンポップを下地にしたロックが軸になっており、要所要所でBMTH『amo』(2019年)以降を思わせるモダンなラウドロック的手法も見受けられます。ボーカル、ギター、ベース、ドラムというシンプルなバンド編成ながらも、音源ではドラムを打ち込みで表現したり、ギターがサウンドエフェクトの役割を果たしていたりと、必ずしもバンドサウンドにこだわっていないことも感じられる。というもの、このバンドの大きな武器となっているのが紅一点テレサ・ジャーヴィス(Vo)の歌声であり、このボーカルを最大限に活かすための良曲を最重要視した結果がこのアルバムなのだと考えたら、こういったテイストも非常に合点がいくわけです。
歌詞にこだわらなければ、意外とスルリと聴き進められてしまうポップな1枚ですが、どうせなら歌っている内容にもこだわっておきたいところ。残念ながら日本盤がリリースされていないことから正式な対訳は存在しませんが、ストリーミンスサービスの歌詞機能を使って、独自に翻訳してみるのもいいかもしれません。事実、どの曲もそれほど難しい表現は使われていないので(解釈の差異は多少あれど)、どんなことが歌われているか意外と理解することが可能かと思います。
なお、YONAKAはこの7月15日にミックステープと称した8曲入り最新作『SEIZE THE POWER』を発表したばかり。こちらもあわせてチェックしてもらいたいところです。
▼YONAKA『DON'T WAIT 'TIL TOMORROW』
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