OASIS『DON'T BELIEVE THE TRUTH』(2005)
2005年5月30日にリリースされたOASISの6thアルバム。日本盤は同年5月25日に先行発売。
リアム・ギャラガー(Vo)、ノエル・ギャラガー(Vo, G)、アラン・ホワイト(Dr)にアンディ・ベル(B/ex. RIDE、ex. HURRICANE #1)、ゲム・アーチャー(G/ex. HEAVY STEREO)という新編成で“第2のデビューアルバム”ともいえる前作『HEATHEN CHEMISTRY』(2002年)を制作し、大ヒットにつなげたOASIS。しかし、2004年に10年近くにわたりバンドに在籍したアランが脱退してしまい、早くも新編成が崩壊します。
バンドは新たなドラマーとして、リンゴ・スター(ex. THE BEATLES)の実子ザック・スターキー(THE WHOなど)をサポートメンバーに迎え、レコーディングに突入。プロデューサーのひとりにデイヴ・サーディー(HELMET、SLAYER、SYSTEM OF A DOWNなど)が参加した本作は一聴すると地味に映るものの、実は“『(WHAT'S THE STORY) MORNING GLORY?』(1995年)再び”という精神性と、“バンド”感を再び取り戻そうとする気概が入り混じった非常に意欲的な1枚ではないかと思うのです。
まず、アルバムの冒頭を飾る「Turn Up The Sun」がアンディの楽曲という時点で“ノエル一強体制”が終焉したことを匂わせているし、さらにアンディはもう1曲「Keep The Dream Alive」を提供している。ゲムも単独で書いた「A Bell Will Ring」のほか、リアムとの共作「Love Like A Bomb」も用意。リアムも単独で「The Meaning Of Soul」「Guess God Thinks I'm Abel」を提供しており、ノエル楽曲はリードシングル「Lyla」(全英1位)や「The Importance Of Being Idle」(同1位)、「Let There Be Love」(同2位)など5曲にとどまっており、全キャリア中もっともノエル色の薄い1枚と言えるのではないでしょうか。
冒頭2曲が非常に地味なこともあり、リリース当時はあまり印象がよくなかった本作。実はアルバムとしての充実度は中後期でもっとも高い力作ではないかと確信しています。アンディ曲はHURRICANE #1色濃厚ながらも、リアムが歌うことでしっかりOASIS化しているし、ゲムの曲もしかり。そして、リアムが書いたアルバムの中で良いスパイスとなっており、OASISの新たな可能性をしっかり提示している。
この色彩豊かさ、“『(WHAT'S THE STORY) MORNING GLORY?』再び”を無意識のうちに狙ったものだったんだろうな。きっとその想いは、ノエルではなくほかのメンバーが漠然としてイメージしていたものだったのかも……というのは言い過ぎでしょうか。
OASIS現役期間中で、個人的にはもっとも聴く頻度の低かったアルバムですが、実はここ5年くらいで一番リピートする機会が増えたのが本作。古き良きブリティッシュロック(ブリットポップに非ず)を2000年代にリバイバルさせ、かつ90年代半ばの自身をもう一度よみがえらせようとした挑戦の1枚。ぜひ偏見なしに触れてみることをオススメします。
▼OASIS『DON'T BELIEVE THE TRUTH』
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