DOKKEN『SHADOWLIFE』(1997)
1997年4月15日にリリースされたDOKKENの6thアルバム。日本盤は同年4月9日に先行発売。
当初はドン・ドッケン(Vo)が元メンバーのジェフ・ピルソン(B)&ミック・ブラウン(Dr)を迎えて制作したソロアルバムが元となり、最終的にジョージ・リンチ(G)が加わる形で完成した再結成DOKKEN第1弾アルバム『DYSFUNCTIONAL』(1995年)。ソングライティング面でジョージがあまり関わっていないこともあって、非常にイビツな形でしたが、続く今作ではドン/ジョージ/ジェフ/ミックの黄金期体制が完全復活。のちにQUEENSRYCHEに加入するケリー・グレイ(CANDLEBOX、BROTEHR CAIN、NEVERMOREなど)をプロデューサーに迎え……結果として前作以上にイビツな内容の迷作を完成させることになります。
前作はグランジ影響下というよりも、そのルーツにあるロッククラシックからの影響をモダンに昇華させた作風でしたが、今作は真逆の方向性……つまり、グランジやモダンヘヴィネスをDOKKEN流に消化したゴリゴリの1枚なのです。ソングライティングのクレジットはすべて4人連名となっていますが、明らかにジョージの色が強まっていることはその曲調やプレイスタイルからも窺えるはずです。
『DYSFUNCTIONAL』での作風を気に入っている人なら、この新たなスタイルも違和感なく受け入れられるのではないでしょうか。ただ、これをDOKKENの名でプレイするにはちょっと時期早々だったかな。だって、解散から6、7年しか経っていないわけで、まだ「In My Dreams」や「Into The Fire」のイメージが完全に払拭できていませんからね。あの時代をリアルタイムで通過してしまったリスナー、DOKKENの功績を後追いしたビギナーにとって本作の内容は衝撃以外の何ものでもなく、そりゃ酷評されても仕方ないですよね。
でも、リリースから25年近く経った今、特にその後のジョージが関わった作品を考えると、ここでの変化は非常に筋が通っているというか、今さら驚くものではないんですよね(笑)。まあすべて後付けの意見でしかないですけど、これはこれで全然悪くない。ドン・ドッケンの念仏ボーカルもこういったモノトーンの楽曲にピッタリですし(苦笑)。ALICE IN CHAINSやSTONE TEMPLE PILOTSと同時代に活躍した旧世代バンドとしては、なかなかの検討ぶりじゃないでしょうか(良くも悪くも)。前作にあった不協和音寄りのハーモニーに頼らなかったことだけは、褒めてあげるべきではないでしょうか。
ちなみに、M-8「Here I Stand」でボーカルを担当するのはジェフ・ピルソン。無理矢理ドンの歌唱に寄せている気がしないでもないですが、これはこれで味わい深い。「Hello」や「I Don't Mind」のグルーヴ感なんてこの楽器隊ならではの最高のものですし、ちゃんと聴き込めば発見の多い1枚じゃないかな。残念ながら、本作はすでに廃盤状態。日本ではデジタル配信もストリーミング配信もなしなので、中古ショップで安価で入手することをオススメします。
少なくとも、僕は本作以降の回帰路線よりも気に入っています(なんだかんだジョージ・リンチ派ですしね)。
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