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2021年7月 3日 (土)

BORN OF OSIRIS『ANGEL OR ALIEN』(2021)

2021年7月2日にリリースされたBORN OF OSIRISの6thアルバム。日本盤未発売。

2019年1月に発売された『THE SIMULATION』から約2年半ぶりに届けられた本作は、前作の8曲26分というコンパクトさから一転、全14曲55分とボリュームが倍増。2015年の4thアルバム『SOUL SPHERE』(12曲47分)以降、初期EPを現メンバーで再録&再構築した『THE ETERNAL REIGN』(2017年/9曲24分)、『THE SIMULATION』とEP的な作品が続いていましたが、てっきり現在のサブスク主流なシーンを見据えた作風なのかと勘違いしていました(事実、『THE SIMULATION』発表時は2019年内にもう1枚同様のアルバムを発表予定と宣言していましたしね)。

『THE ETERNAL REIGN』での原点回帰、および前作『THE SIMULATION』での王道感の確立を経て届けられる本作ですが、もはやDjent云々だけでは語りきれない、2010年代以降のエクストリームメタルの中でも非常にオーソドックスになりつつあるプログ・メタルコアの第一人者にまで成長し、本作では王者の風格のようなものすら伝わってきます。

ただ、なんとなくですが3作目『TOMORROW WE DIE ALIVE』(2013年)あたりにまで存在した魅力的な要素が減退したような……オープニング曲「Poster Child」冒頭のスペーシーなシンセも彼ららしいっちゃあらしいんだけど、過去の楽曲と比べると整理されすぎている。それはどこか2000年代後半以降のメロディックデスメタル的な作風と重なり、結果として彼らの王道感向上にプラスとして作用している。特にこの曲はアウトロにのアーバンテイストが秀逸で、さりげなくフィーチャーされたサックスがいい味出していて、このへんも先の王道感につながるのかな。

「White Nile」といい、リードトラック「Angel Or Alien」といい、イビツさから生じる従来のらしさとバンドとして一般化したからこその王道感が見事にミックスされており、どんどん聴きやすくなっている印象を受けます。言い方を変えれば、良くも悪くも“普通”になり始めているのかなと……「Threat Of Your Presence」や「Crossface」などを聴くと、まだまだらしさ健在とうれしくなるものの、そのほかの楽曲ではBORN OF OSIRISとして突出した唯一無二の個性が見つけにくくなっているような気がしてなりません。

こういうスペーシーなシンセをフィーチャーしたDjent風味のプログ・メタルコアバンド、探せばいくらでも見つかりそうですしね。バンドがメジャー化していけばしていくほど、活動歴が長くなればなるほど、そういったポイントをいかに進化させ、いかに守り続けるかがどんどん難しくなると思うのですが、この6作目はまさにそういう壁にぶち当たっている最中なのかなと、聴いていて強く感じました。

同様の不安は前作の時点でも見えてはいたのですが、あのときはインタールードを含む少ない曲数だったので及第点を与えられましたが、今作のように14曲入り/55分というボリューミーな内容となるとそうもいかず。曲の差別化も正直うまく機能しているとは言い難いし、ポイントポイントでフックを見つけることはできるものの、それらが最後まで持続することなく、なんとなく最後まで到達してしまう……そういう勿体ないアルバムなんですよね。

純粋なプログメタル、あるいはプログレッシヴロックバンドのように長尺曲でのアンサンブルで個を確立させるタイプでもないし、今のように4分前後のコンパクトさで勝負を続けるのなら、どこかで大きな転換期を迎えないと難しいのかなという気がしています。『TOMORROW WE DIE ALIVE』で魅了された身からすると、もどかしさが否めませんが……頑張れ!

 


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