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2021年8月20日 (金)

DEAFHEAVEN『INFINITE GRANITE』(2021)

2021年8月20日にリリースされたDEAFHEAVENの5thアルバム。日本盤は同年8月18日に先行発売。

バンドにとってエポックメイキングな1枚となった前作『ORDINARY CORRUPT HUMAN LOVE』(2018年)から3年ぶり、バンド結成10周年を記念して制作されたベスト盤的立ち位置のスタジオライブアルバム『10 YEARS GONE』(2020年)から8ヶ月ぶりに届けられた今作。それまで在籍したEpitaph / ANTI- Recordsを離れ、『10 YEARS GONE』から新たにバンドの所属事務所が運営するSargent House Recordsへと移籍しましたが、本作は同レーベルから発表する最初のオリジナルアルバムとなります。

『10 YEARS GONE』でそれまでの活動にひと区切りをつけたDEAFHEAVENは、この新作で新たな試みをいくつか取り入れます。まず、バンドとして初の外部プロデューサーを導入したこと。今作ではPARAMOREJIMMY EAT WORLDなどのプロデュース、ベックのバックバンドやNINE INCH NAILSのサポートメンバーとしても知られるジャスティン・メンダル-ジョンセンを起用し、ミキシングにはダレル・ソープ(ベック、FOO FIGHTERSRADIOHEADなど)を迎えて制作。これまでバンドをバックアップしてきたジャック・シャーリーもエンジニアとして参加しており、サウンド/制作面でさらなる高みを目指します。

まず、本作を聴いて誰もが驚くのが……前作の時点でその片鱗は見え隠れしていましたが……全体を“陽”の空気が覆っていること。オープニングトラック「Shellstar」におけるシューゲイザーのオリジネイター的色合いは、もはやブラックゲイズ云々というカテゴライズでは語り尽くせない魅力を放っています。その後も浮遊感の強い「In Blur」やリードトラック「Great Mass Of Color」で見せる/聴かせる初期RIDE的耽美なシューゲイズ/ギターロックサウンドは、このバンドは別次元へと軽く到達したことを見事に証明することでしょう。

ボーカルもほぼ“メロディを歌う”というごく当たり前の仕事に徹しており、ディレイやコーラスなどのエフェクトをかけた空間系のギターサウンドが楽曲本来が持つ甘さにより拍車をかけている。もはやドリームポップの域にまで達したといえる楽曲群からは、メタルのメの字も感じられませんが、それでもラストナンバー「Mombasa」などでは初期から持ち合わせる“陰”の部分やメタリックのテイストも見つけることができる。要は、それまでのスタイルを捨て去ったではなく、飛躍的進歩を遂げた結果がこれなのだと。すべては地続きなのだと、このアルバムは証明するわけです。

メンバーは本作を「DEAFHEAVENにおける(RADIOHEADの)『KID A』のような立ち位置」と評しているそうですが、それも納得の内容/完成度と言えるでしょう。“無限の花崗岩”と題されたこの泥沼、一歩踏み込んだら抜け出せなくなるほどの中毒性を秘めています。白昼夢を具現化したような前作よりもリアリティさが増した、恐ろしいまでに完成度の高い傑作です。

 


▼DEAFHEAVEN『INFINITE GRANITE』
(amazon:国内盤CD / MP3

 

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