« EXODUS『BLOOD IN, BLOOD OUT』(2014) | トップページ | DREAM THEATER『LOST NOT FORGOTTEN ARCHIVES: TRAIN OF THOUGHT INSTRUMENTAL DEMOS (2003)』(2021) »

2021年8月25日 (水)

DREAM THEATER『TRAIN OF THOUGHT』(2003)

2003年11月11日にリリースされたDREAM THEATERの7thアルバム。日本盤は同年11月12日発売。

以降のバンドの指針を確かなものとした前々作『METROPOLIS PT.2: SCENES FROM A MEMORY』(1999年)、初の2枚組大作となった前作『SIX DEGREES OF INNER TURBULENCE』(2002年)に続く今作は、前作から1年10ヶ月という非常に短いスパンで届けられた意欲作。2作にわたってコンセプトアルバムを制作してきたバンドが、改めてライブの躍動感を重視した作品作りに回帰し、3rdアルバム『AWAKE』(1994年)や4thアルバム『FALLING INTO INFINITY』(1997年)で試されたモダンヘヴィネス/グルーヴメタル路線を数歩推し進めたアグレッシヴなスタイルを確立させています。

全7曲で約70分という長尺ぶりは相変わらずですが、オープニングを飾る「As I Am」(約8分)や続く「This Dying Soul」(11分半)で魅せる/聴かせるスタイルは、過去のモダンヘヴィネス路線を昇華し、よりナチュラルに、より現代的にビルドアップさせたもの。もちろん、ただヘヴィでわかりやすいだけではなく、そこにDTらしいプログメタル要素もしっかり散りばめられており、要所要所に飛び出す変拍子やテクニカルなプレイと相まって、ヘヴィメタルバンドの充実ぶりがじっくり伺えるはずです。

また、アルバムの随所からオルタナメタル的なテイストも見え隠れし、そういった方向性が一時期のQUEENSRYCHEとも重なる。しかし、ここでは付け焼き刃的な危うさは皆無で、しっかりした軸が感じられるので、ヘヴィメタルアルバムとして終始安心して楽しむことができるのです。『AWAKE』や『FALLING INTO INFINITY』は一部のリスナーを除いて「これじゃない」という声が多かった迷作ですが(とはいえ、僕はこの2枚が大好物なんですけどね)、『METROPOLIS PT.2: SCENES FROM A MEMORY』で確たる核を再確認できたからこそ、再びこの路線に戻っていっても迷いなくやりたいことをやり通せる。つまり、今作はある種『METROPOLIS PT.2: SCENES FROM A MEMORY』に対する“裏の顔”と受け取ることができるのではないでしょうか。個人的にはそう感じています。

初期のMETALLICAがやりそうなヘヴィバラード「Endless Sacrifice」や前のめりなヘヴィプログメタル「Honor Thy Father」、ダークな本作における小休止的な短尺バラード「Vacant」、過去2作におけるドラマチックさを引き継ぐインスト「Stream Of Consciousness」、バラードテイストも強いヘヴィなミドルチューン「In The Name Of God」と、全体を通して王道ヘヴィメタルアルバム的作風も徹底されている。コンセプチュアルなテイストは苦手だけど……というメタルリスナーにも、本作はもっともとっつきやすい1枚ではないでしょうか。個人的にも、DTに対する熱を再び高めてくれたという意味で重要な良作です。

 


▼DREAM THEATER『TRAIN OF THOUGHT』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

« EXODUS『BLOOD IN, BLOOD OUT』(2014) | トップページ | DREAM THEATER『LOST NOT FORGOTTEN ARCHIVES: TRAIN OF THOUGHT INSTRUMENTAL DEMOS (2003)』(2021) »

2003年の作品」カテゴリの記事

Dream Theater」カテゴリの記事

カテゴリー