TURNSTILE『GLOW ON』(2021)
2021年8月27日にリリースされたTURNSTILEの3rdアルバム。日本盤未発売。
Billboard Top Heatseekersランキングで1位を獲得した前作『TIME & SPACE』(2018年)から3年半ぶりのフルアルバム。今年6月に配信されたリードEP『TURNSTILE LOVE CONNECTION』(2021年)収録の4曲をうまく散りばめつつ、ハードコアバンドらしい尖った部分と常々持ち合わせていたキャッチーさが絶妙なバランスで配合された聴き応え満点な内容に仕上がりました。
全15曲で35分というトータルランニングも過去作同様ですが、今作では『TURNSTILE LOVE CONNECTION』で予感させた変化が予想以上に良い形で進行しており、正直ここまで聴きやすい1枚に仕上がるとは……と相当驚かされました。基本的な路線はEPで聴けたものを拡大させていったものですが、1曲1曲が1〜2分のショートチューンとして構築され、その中にハードコアやポップス、エレクトロ、あるいはソウルミュージックなど複数の要素が散りばめられている。なもんですから、どんなに尖った曲でもメロディが聴きやすくて、初聴でもシンガロングできてしまいそうな良メロナンバーが満載なんです。そういった点では、前作までのスタイルにさらに磨きがかかったとも言えるでしょう。
ブラッド・オレンジをフィーチャーした「Alien Love Call」の、浮遊感に満ち溢れたオルタナティヴロック色は本作中盤における山場のひとつですし、そこからなだれ込む「Wild Wrld」のストイックさもたまらなくカッコいい。この曲や、続く「Dance-Off」で取り入れられたカウベルの音色が、どこか牧歌的な空気を醸し出しているのも面白い。また、ブラッド・オレンジはもう1曲、アルバムラストの「Lonely Dezires」にもゲスト参加しており、こちらの音響系的なお遊びもたまらない。
ハードコアという枠の中に存在しているものの、バンド自体はすでにその枠を飛び越えて唯一無二のサウンドを更新し続けている。リスナーによっては「これは本当にハードコアなの?」と疑問に感じるかもしれませんが、もはや面白ければ枠なんてどうでもいい。この最高な1枚がジャンルを飛び越え、さまざまな人のもとに届くことを願っています。そう感じずにはいられないほど、2021年のモードにフィットした傑作。
▼TURNSTILE『GLOW ON』
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