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2021年8月17日 (火)

AT THE GATES『THE NIGHTMARE OF BEING』(2021)

2021年7月2日にリリースされたAT THE GATESの7thアルバム。

アンダース・ビョーラー(G)脱退後に制作された前作『TO DRINK FROM THE NIGHT ITSELF』(2018年)から3年ぶり、約20年ぶりとなった再結成第1弾アルバム『AT WAR WITH REALITY』(2014年)から3作目のオリジナルアルバム。トーマス・リンドバーグ(Vo)、ヨナス・ビョーラー(B)、ヨナス・スタルハマー(G)、マーティン・ラーソン(G)、エイドリアン・アーランドソン(Dr)という前作と同じ布陣で制作されました。

さすが結成から30年を超えるバンドらしく、本作では攻撃性よりも安定感や深みが増しています。序盤の3曲(「Spectre Of Extinction」「The Paradox」「The Nightmare Of Being」)では定番の叙情的メロディックデスメタルを提供して、まずは聴き手を安心させてくれますが、4曲目「Garden Of Cyrus」あたりから少しずつ、その様相が変化し始めます。この曲はサックスをフィーチャーしたインストゥルメンタルナンバーで、その耽美なゴシックテイストはどこか70年代のプログレッシヴロック的でもあります。

これまでもバイオリンなど、およそデスメタルとは縁遠そうな楽器をフィーチャーする機会の多かったAT THE GATESですが、今作では先のサックスを筆頭にブラスやストリングスを大々的にフィーチャーした楽曲をアルバム中盤〜後半に多数用意。「The Fall Into Time」では壮大なクワイア的アレンジ(おそらくシンセによる代用)も加えられており、壮大かつドラマチックな長尺曲に仕上がっています。

また、いかにも王道メロディックデスメタルといったアレンジ/構成の「The Abstract Enthroned」にはバイオリンやチェロ、コントラバス、チューバなどが加わることで、本来からの劇的なアレンジがよりメリハリの強いものへと進化。KING CRIMSON的な不穏な音階のリフ/アルペジオを用いた「Cosmic Pessimism」では語り口調のボーカルと相まって、これまでにない新鮮な空気感を生み出しています。しかも、終盤のストリングス+アルペジオパートなんてまんま『RED』(1974年)期のクリムゾンですし。いやあ、面白いったらありゃしない。

ここ2作が個人的趣味とかぶる部分が非常に多かったので、新作が出るたびにCDで購入しているAT THE GATESですが、今作はそこに新たな要素(かつ自分好み)が追加されることで、より自分の趣味に近づき始めた。従来のファンからしたら異色作に映るかもしれませんが、僕にとってはご褒美のような良作にほかなりません。

もはや大傑作『SLAUGHTER TO THE SOUL』(1995年)のようなアグレッションを彼らの新作に望むことはできないかもしれませんが、その代わりに深みのあるゴシック&メロディックなデスメタルを追求し始めた。僕にとってはそれはありがたいことであり、可能なかぎりこの路線を深掘りしていってもらいたいなと思わずにはいられません。

なお、本作の日本盤CDおよび海外初回盤CDには、当のKING CRIMSON「Red」カバーなどを含むライブテイク9曲入りボーナスディスクが付属。こちらはデジタル版では聴くことができない代物ですので、ぜひフィジカルをご購入の上お楽しみください(といっても、アルバム本編のストリーミング配信も、日本では現時点で3曲しか聴けないんですけどね)。

 


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(amazon:国内盤2CD / 海外盤CD / 海外盤2CD / 海外盤アナログ / MP3

 

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