CHEAP TRICK『HEAVEN TONIGHT』(1978)
1978年4月24日にリリースされたCHEAP TRICKの3rdアルバム。
デビュー作『CHEAP TRICK』(1977年)が1977年2月発売、前作『IN COLOR』(1977年)が同年9月発売と約7ヶ月間隔でのリリースペースが続いていた初期のCHEAP TRICK。適度なパンキッシュさとガレージロック度の強い1作目、極端なポップネスへと振り切った2作目を経て、続くこの3作目では過去2作の中間に位置する、バランス感に優れた良作に仕上げられています。
ポップ度に関して言えば前作にも匹敵する甘さが備わっているものの、それを構築するバンドサウンドがより“硬く”なったことで、ロックバンドとしてのタフさが急増。結果、「Surrender」や「On Top Of The World」のようなポップな楽曲もロックチューンとして通用する、これこそパワーポップと言わんばかりの仕上がり。かと思えば「High Roller」や「Oh Claire」のように1作目に含まれていそうなヘヴィ路線の楽曲、「Heaven Tonight」のようなヘヴィバラード、「Stiff Competition」を筆頭とするハードドライヴィンなロックチューン、「How Are You?」みたいに前作の流れを継承するポップソングも用意されており、ソングライターとしての幅もより広がりを見せています。
この短期間でソングライターとしてはもちろんのこと、ロックバンドとしての表現力も一気に成長を遂げ、早くも初期の集大成と呼べるアルバムを完成させたCHEAP TRICK。海外でのリリースタイミングには、ここ日本で初の日本武道館公演も成功させ、その模様を収めたライブアルバム『AT BUDOKAN』(1978年)は初の全米トップ10入り(最高4位)を果たすことになります。
とはいえ、直前にリリースされた今作もその時点では過去最高の全米48位まで上昇し、シングル「Surrender」も全米62位と初のシングルトップ100入りを遂げるのですから、『AT BUDOKAN』での成功はここで約束されていたといっても過言ではありません。
集大成的内容の『HEAVEN TONIGHT』、ライブでの躍動感を伝える『AT BUDOKAN』を経て、CHEAP TRICKは4thアルバム『DREAM POLICE』(1979年)で最初の大きなピークに到達します。リリースの流れに沿って各アルバムを聴いていくと、バンドが波に乗っていく感覚が伝わるはず。特に『IN COLOR』から『HEAVEN TONIGHT』、『HEAVEN TONIGHT』から『DREAM POLICE』への流れはその進化ぶりがより明確に理解できるのではないでしょうか。
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